【質問】尿潜血で「+」や「±」が続いています
60歳代前半頃から、人間ドックなどの尿検査で潜血が必ず「+」か「±」になります。
最初に尿潜血陽性の判定が出た時に病院で再検査を受け、その時に医師から「尿潜血は疲れた時などに出やすい」と言われました。
特に症状もないので、その後は病院に行くのをためらっていますが、このままにしていてもよいでしょうか?
●73歳:女性
【答】
尿潜血陽性はもともと女性に多く見られ、加齢とともに増加します。
70歳以上の女性では4人に1人が尿潜血陽性であったという報告もあります。
ただ、これらの方が全員何らかの病気であるということはなく、ほとんどの方が「良性血尿(原因となる病気の見付からない血尿)」です。
人間ドックや健診で尿潜血陽性と判定された場合、まずはかかりつけ医、もしくは専門医療機関(腎臓内科か泌尿器科)を受診し、検尿の再検査を受けます。
再検査で陰性になる場合もありますが、陽性の場合は尿中の赤血球の形を顕微鏡で調べます。
赤血球の形から、腎臓病による血尿なのか、泌尿器(尿管や膀胱など)の病気による血尿なのかがある程度わかります。
たんぱく尿も陽性であれば、腎臓病である可能性がさらに高くなります。
かかりつけ医を受診した場合は、この段階で専門医療機関を紹介してもらいます。
腎臓病が疑われる場合には、腎臓内科で自己抗体や腎生検などの専門的な検査を行って詳しく原因を調べます。
泌尿器の病気が疑われる場合には、泌尿器科で超音波検査や尿細胞診検査を行います。
これらの検査で泌尿器の病気である可能性が高いと判断されると、さらにCTやMRIなどの画像検査を行って、詳しく原因を調べます。
腎臓病でも泌尿器の病気でも、血尿の原因が明らかになれば、適切な治療を受けることになります。
また、明らかな原因が見つからない場合は、良性血尿として健診や人間ドックで経過を見ていくことになります。
ご質問者の場合は、人間ドックなどの尿検査で、尿潜血陽性以外の異常は10年以上見つかっていないようなので、良性血尿である可能性が高いと思います。
ただ、前述したように、一度は専門医療機関を受診して、腎臓病、もしくは泌尿器の病気についての専門的な検査を受けることをお勧めします。
かかりつけ医にぜひ相談してみてください。
(この答えは、2020年4月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)