【質問】カリウム値が高い。どうすれば下がる?

8年前に「心臓弁膜症」と診断され、利尿薬を飲んでいます。 血液検査では毎回カリウム値が高く、いつも注意されています。 カリウム値を下げるために、野菜は茹でこぼす、果物を控えるとなど気を付けていますが、効果がありません。 カリウムが溜まりやすい体質のようですが、 対処法はありますか。
●80歳代・女性


【答】

血液中のカリウム値が高くなる理由としては、カリウムを含む食事の摂り過ぎ、腎臓の働きの低下、薬の副作用などが考えられます。 ご質問者の場合、食事については注意されているようなので、その可能性は小さいと思われます。 ただ、カリウムは根菜類にも多く含まれ、例えば、ジャガイモを使うカレーライスの食べ過ぎでもカリウム値は上昇します。 カリウムが溜まりやすい体質というのは、基本的に腎臓の働きが弱っている場合にみられます。 ご質問者は80歳とご高齢ですから、腎臓の働きは若いときよりも弱くなっていると思われます。 腎臓の働きについては、血液中のクレアチニン値で分かりますので、担当医に尋ねてみてください。 また、便通が悪い人もカリウムが溜まりやすくなります。
薬の副作用については、血圧の薬や痛み止めの薬のなかに、カリウム値を上昇させやすいものがあります。 また、心臓病に用いられる利尿薬には、カリウム値を上げるものもあるので、担当医にお尋ねください。 ちなみに、一般的な利尿薬は、幸いカリウム値を下げる方向に働きます。 ただし、尿が出過ぎて体内の水分が不足すると、腎臓の働きを弱めてしまい、カリウムの排泄には不利に働きます。 担当医と相談し、許される範囲で水分を摂ってください。
稀な原因として、白血球や血小板の数が著しく多い場合や、血管が細くて採血に時間がかかる場合は、カリウム値が上がることがあります。 これらは見せかけの高値ですので、心配はいりません。 カリウム値が高くても様子を見るだけで心配ないこともあります。 ただ、カリウム値が5.5mEq/Lを超える状態が続く場合は、脈が乱れるなど心臓によくありませんので、この場合は治療が必要です。 食事から摂るカリウムを制限してもカリウム値が高い場合は、必要に応じた薬を処方してもらいましょう。 治療ではカリウムを下げる薬のほか、体が酸性に傾いている場合は、少量の重曹が使われることもあります。

(この答えは、2020年8月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)