期外収縮を予防する整体法『脈正し整体』

期外収縮は肩甲骨周囲が凝った人に多く、脈正し整体でほぐしたらすぐ解消! 脈とび・めまい・息切れも消え驚いた!


■まずは自律神経の乱れを正すことが重要

不整脈の中でも最も多いのは、健康な人にも時々見られ、拍動(心臓が周期的に収縮運動をすること)のリズムが乱れる 「期外収縮」です。その原因は精神的なストレスや睡眠不足、喫煙、お酒やコーヒーの飲み過ぎ、 疲労、急激な気温や気圧の変化に体がついて行かないことなどが考えられそうです。 期外収縮を解消するには、そういった生活習慣の改善はもちろんですが、一般的には自律神経の乱れを正すことが 重要といわれています。というのも、心臓の拍動は、自律神経の働きによってコントロールされているからです。 そのため、自律神経のバランスが崩れると、期外収縮などの不整脈が起こりやすくなると考えられます。 つまり、自律神経の乱れを正し、心身をリラックスさせることが、心臓の拍動を正常に保つうえで有効な手段といえるのです。

●胸椎が歪むと期外収縮を招く

しかし、期外収縮は筋骨格系の異常も原因の一つになると考えています。 特に、期外収縮の人は背中の左右にある肩甲骨の周辺の筋肉が凝っていることが多いのです。 つまり、その筋肉のコリをほぐすことが、期外収縮を解消する重要なカギとなります。 肩甲骨周辺の筋肉が凝るのは、現代人に多い猫背やデスクワーク中に長時間同じ姿勢をとり続けることなどが原因で、 胸椎が歪んでしまうからです。故柴田純宏先生が考案された長生療法の脊椎矯正療法では、心臓に疾患のある人は、 12個ある胸椎の椎骨の中で上から4番・5番に顕著な歪みがあるという教えがあります。 実際に、胸椎の4番・5番が歪んでいる患者さんは、不整脈に悩まされていることが多く、 歪んでいる部分を軽く押しただけで背中から胸に貫くような強い痛みを訴えます。 そのような場合は、何らかの心臓疾患が隠れている疑いが濃厚なので、病院で検査を受けることが勧められます。

では、期外収縮の患者さんの場合はどうでしょうか。
興味深いことに期外収縮を訴える人については、胸椎の上から2~6番にかけて緩やかに歪んでいることが多いのです。 そのように、胸椎が半分くらい歪むと、肩甲骨周辺の筋肉の強いコリを招きます。 そして、この肩甲骨周辺にコリのある状態が心臓の拍動を妨げる原因になると、推測されます。 前でも述べましたが、心臓の拍動は自律神経の働きによってコントロールされています。 実は胸椎の歪みが原因で自律神経の乱れを招いている人は、大勢います。 その原因は、胸椎が歪むと、その上にある頸椎も歪みやすくなるからだと考えられます。 頸椎付近は、自律神経の密集地。首周辺の骨や筋肉に偏った負担がかかると、自律神経の乱れを引き起こしやすくなるのです。 また、中には、胸椎の歪みが原因で内臓が圧迫されて、心臓を始めとする内臓の働きが悪化していると考えられる人も多くいます。 心臓が圧迫されることで、心臓の拍動に何らかの異常が現れていると考えられます。

●肩コリをほぐせば不整脈が続々改善

実際、これまで多くの期外収縮の患者さんが、肩甲骨周辺の筋肉のコリをほぐすことで、症状を改善してきました。 そもそも、期外収縮の人は心臓そのものには異常がないことがほとんどといわれています。 したがって、肩甲骨周辺の筋肉をほぐしてあげるだけで、症状改善に役立つというわけです。 そして、肩甲骨周辺の筋肉が柔軟になれば姿勢が正され、歪んでいた胸椎が正常な状態に戻ります。 すると、頚椎の歪みも次第に解消し、自律神経の乱れも治まって期外収縮が起こりにくくなるようです。 そこで、肩甲骨周辺の筋肉をほぐし、同時に胸椎の歪みの矯正にも役立つ特効法『脈正し整体』をお勧めします。


■脈正し整体のやり方

肩甲骨のコリを防ぐ「脈正し整体」は実に簡単で、肩に手を置き前後に回して姿勢も正すだけ!

●両腕の肘は大きく回すのがポイント

では、脈正し整体のやり方についてみていきましょう。
脈正し整体には、基本のやり方(肩甲骨ほぐし)と効力アップ法があります。 ここでは、それぞれの整体法の注意点について詳しく説明してい行きます。

「肩甲骨ほぐし」は、右手を右肩、左手を左肩の上に置き、両腕の肘が肩の高さと水平になるところまで上げて、 両肘を前や後ろに同時に回す整体法です。コツは、胸を張って、肘を大きく回すこと。 肘を小さく回すと肩甲骨の動きも小さくなるので、肩甲骨周辺の筋肉のコリは十分にほぐれません。 また、両肘を回すときに、肘を下げないのもポイント。肘を下げると、肩甲骨が動かなるので、効果が弱まります。 さらに、肩甲骨周辺の筋肉が気持ちいいと感じられる強さで両肘を回すことも重要です。 肩甲骨ほぐしは、肩甲骨周辺の筋肉のコリをほぐすことで期外収縮を予防する整体法です。 続けると期外収縮は起こりにくくなっていきますが、筋肉のコリが完全に解消するには時間がかかります。

●効力アップ法は速効性も高い

そこで、期外収縮の発作を抑える即効性の高い「効力アップ法」も紹介しましょう。
効力アップ法は、左手を右肩の上に置き、右手で拳を握り、その右手の親指の付け根で左のわきの下のくぼみをたたく整体法。 叩く強さはイタ(痛)気持ちいいと感じる程度が目安になります。 コツは、なるべく遠くから勢いをつけてリズミカルに叩くことです。左の脇の下のくぼみに狙いを定め、ピンポイントで 叩きましょう。ただし脇の下を叩いたときに痛みが強く現れる人は、もう一つ効力アップ法を試してみてください。 もう一つの効力アップ法は、壁を利用して右に側屈(体を側方に曲げること)する整体法。 左の肩甲骨周辺の筋肉が伸ばされることで、コリを効率よくほぐします。 コツは、側屈する際に腰が曲がって、前に倒れたような姿勢にならないこと。前に倒れた状態で行うと、効果が半減します。

脈正し整体は、いずれも朝・昼・夕の1日3回行うと効果的です。不整脈は朝の空腹時に起こりやすいと言われているので 朝食前には必ず行いましょう。コツを踏まえてやれば2~3回で期外収縮が起こらなくなる人もいます。 すぐに効果が現れなくても、1ヵ月間は続けるようにしましょう。