慢性疲労症候群(CFS)の治療

慢性疲労症候群の治療の中心は、「漢方薬、ビタミンB12、C、SSRI」などの薬物療法ですが、認知行動療法などもあります。


●薬物療法

▼漢方薬
漢方薬では、主に「補中益気湯」が処方されます。 「補中益気湯」には、消化吸収の働きをよくしたり、免疫力を高める効果が期待できます。

▼ビタミンB12
ビタミンB12は、睡眠障害の改善に有効とされ、脱力感や疲労感、思考力低下などの改善にも 効果があることが認められています。

▼ビタミンC
慢性疲労症候群では、細胞に障害を与える活性酸素も大きく影響していると考えられます。 そこで、活性酸素によって細胞が障害されないように、抗酸化力を持つビタミンCを大量に服用します (ビタミンCの大量投与による胃粘膜の障害を予防するため、胃薬も処方されます)。 また、ビタミンCの服用では、微熱の程度や頻度が改善する例が多く見られます。

▼SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
漢方薬やビタミン剤で改善しない場合に用いることがあります。 脳の神経伝達物質の「セロトニン」の代謝が改善され、脳の働きがよくなります。

●認知行動療法

同じようなストレスが加わっても、人によって感じ方は異なります。 慢性疲労症候群患者の性格やストレスの感じ方などを調べたところ、「完璧主義」の人が多く、 ストレスの影響を受けやすいことがわかりました。 そこで、「認知行動療法」が行われることがあります。これは、感じ方や行動の癖などを見直し、 上手にストレスに対処する方法を、患者と医師が話し合いながら見出しいくものです。
また、発症時から精神症状が強く、精神疾患の診断基準が当てはまる人の場合、 漢方薬の服用など内科的な治療の効果はほとんど見られないことがわかってきました。 そのような場合には、症状に応じた薬物療法やカウンセリングが行われます。


他に、筋肉痛に対する消炎鎮痛薬、睡眠導入薬、抗ウィルス薬、抗菌薬、などが使われることもあります。