ロコモティブシンドロームを運動で予防する

ロコモ対策には、運動を継続することが肝心です。効果的な運動を楽しみながら行いましょう。 まずはロコトレから初めて継続してみましょう。慣れてきたら、ウォーキングや自分の好きな運動に取り組むのもお勧めです。

■ロコモ対策

健康長寿を目指すには、足腰を丈夫にするのが重要

健康で長生きするためには、自立して生活できる期間である「健康寿命」を延ばすことが大切で、 そのために欠かせないのが『ロコモ対策』です。 ロコモ対策は、骨、軟骨、関節、筋肉などの運動器の機能障害を防ぐための取り組みで、健康寿命を延ばすには、特に足と腰の周りの筋肉をつけることです。 筋肉をつけることによって足腰が丈夫になり、寝たきりや要介護の大きな原因となる骨折・転倒・関節障害などを防ぐことができます。
筋肉は、年齢にかかわらず、いくつになってもつけることができます。高齢だからと、諦める必要はありません。 筋肉をつけるために重要なのは、年齢ではなく続けていくことです。軽い運動でも構わないので、継続して行っていくようにしましょう。


●運動を継続するには

自分が楽しめることを正しい方法で行う

楽しんで行うことは、運動を続けていくための大きなポイントになります。 例えば、ゲートボールなどは、みんなで楽しめるので、続けやすい運動の1つとされています。 運動を楽しむ一方で、正しい体の動かし方や効果的な運動の方法を知ることも大切です。 間違った方法で行うと、うまく筋肉がつかないうえ、筋肉や関節などを痛めたり、持病を悪化させる場合があるので注意が必要です。


●ロコモの要因を減らす

筋肉をストレッチングしたり、鍛えることで痛みを和らげる

腰や膝の痛みは、ロコモの要因になります。ロコモ対策では、そうした要因を改善することが大切です。 その有効な方法が、筋肉を引き延ばして柔軟性を高めるストレッチです。 腰や膝の痛みに対しては、腰や膝の周りの筋肉をよくストレッチします。 ストレッチを行うと、スムーズに動くようになるので、体が楽になります。 ストレッチと併せて、周りの筋肉を鍛えることも重要です。 例えば、腰痛がある場合は、腰の周りにある背筋や腹筋を鍛えると、腰にかかる負担が軽くなり、痛みも軽くなります。 同じように膝に痛みがある場合も、膝の周りにある筋肉を鍛えます。 この場合は、太ももの筋肉である大腿四頭筋を鍛えると、膝にかかる負担が軽減されて痛みが和らぎます。


●ロコトレ

関節の周りの筋肉を鍛える運動

関節の周りの筋肉を鍛えてロコモを防ぐ簡単な運動が、日本整形外科学会が推奨する「ロコトレ」です。 ロコトレのメニューでは、次の2つの運動が基本となります。 どちらもすぐにできる運動なので、毎日続けてみましょう。

◆片脚立ち

バランス能力を高めると同時に、股関節の周りの筋肉が鍛えられます。 背筋を伸ばして、床につかない程度に片脚を持ち上げるだけの運動です。 左右の足で、それぞれ1分間片脚立ちをします。目安は1日に3回です。 転倒を防ぐために、必ず体を支えるものや、掴まるもののあるところで行うようにしてください。

◆スクワット

太ももの筋肉やお尻の筋肉、腹筋、背筋などを使うので、さまざまな筋肉をまとめて鍛えることができます。 足を肩幅より少し広めに開いて立ち、つま先を約30度開きます。 膝がつま先より出ないよう、また膝がつま先と同じ方向を向くように注意して、椅子に座るような感じでゆっくり腰を落としていきます。 これを5〜6回繰り返します。1日に3回が目安です。


●ウォーキングの効果

自然にバランスを取りながら、筋肉を使うことができる

いつでもどこでも行える手軽な運動がウォーキングです。 歩くことは、片脚立ちを連続して行うことなので、ウォーキングの最中は、自然にバランスを取りながら筋肉を使っています。 一般に筋力は、加齢に伴って低下します。最初に落ちてくるのが、大腿四頭筋などの足腰の筋力です。 60歳代になると、20歳代の筋力の半分程度に低下するといわれています。 筋力が低下すると、歩行に支障を来すようになります。 足が十分上がらないため、段差でつまずいたり、体がぐらついて不安定になったりします。 また、筋力が落ちていると、つまずいたときに踏ん張ることができずに転倒してしまいます。 転倒を防ぐためにも、足腰の筋肉を鍛えることが非常に重要です。

◆活動的にスポーツをするのもよい

体力に応じて、スイミングや水中ウォーキングなどを行うのもよいことです。 特に、水中ウォーキングは、膝の悪い人も筋力トレーニングとしても適しています。 スポーツの場合も、楽しめるものを長く続けていくことが大切です。