癌の予防・対策『低体温の改善』
誰でも毎日無数にできる癌の芽を摘み、癌発病を防ぐには、免疫力を高めることが肝心です。 そして、免疫力を高めるためにまず大切なのは、体温を正常に保つことです。 体温が低くなると、代謝が低下して血流が悪くなり、免疫力が落ちて病気にかかりやすくなってしまうのです。 したがって、癌を予防するためには低体温を改善することが必要なのです。 低体温は、便秘症や猫背の人に多く、赤ら顔や目の下のクマ・生理不順などが重大サインになります。
■細胞の癌化と免疫力
毎日3000個以上の癌の芽ができる
私たちの体には、約60兆個の細胞があるといわれています。 そしてそれらは、新しいものが生まれたら古いものが死んでいく、という新陳代謝を繰り返しています。 ところが、これらの細胞の中には、突然変異を起こし、新陳代謝のサイクルを狂わせてしまうものがあります。 細胞の死滅(自然死)機能が効かなくなり、無秩序に分裂を繰り返してしまう細胞が出現するのです。 これが、「癌細胞」です。その原因を作っているのが、細胞の中にもともとある「プロト癌遺伝子」。 活性酸素や発癌性物質などによって、このプロト癌遺伝子が活性化すると、このような細胞の癌化が始まるわけです。 実際、私たちの体では、こうした癌細胞が1日に3000~6000個生まれているといわれています。 しかし、それがすぐに癌の発病に結びつかないのは、これに対抗する「癌抑制遺伝子」があるからです。 癌抑制遺伝子には、プロト癌遺伝子の活性化を抑える働きがあり、これによって初期の癌細胞は、悪性化する前に 死滅していきます。つまり、癌を防ぐには、癌抑制遺伝子が正常に働かなくてはなりません。 そのためには、常に「免疫力」を高めておくことが大変重要になります。
では、免疫力を高めるにはどうしたらいいでしょうか。まず大切なのは、体温を正常に保つことです。 正常な体温とは、だいたい36.6℃前後です。このとき、体の深部の温度は37℃ほどあり、 これがあらゆる生命活動に最適で、免疫も最も活発に働く温度なのです。 最近は、さまざまな原因から体温が35℃台になる「低体温」の人が増えています。 体温が低くなると、代謝が低下し血流が悪くなります。すると、免疫力も落ちて病気にかかりやすくなってしまうのです。 体温の低下がきっかけで癌の発病に至るケースも少なくないと考えられます。
●低体温
平熱が36.5℃を下回れば低体温
わきの下で測る私たち人間の平均体温(平熱)は、36.5℃といわれており、この体温を維持していれば、 新陳代謝が順調に行われ、60兆個の細胞もいききと元気に働きます。 しかし、最近では世代を問わず、何らかの原因で体温調節機能がうまく働かなくなり、 平熱が36.5度を大きく下回る、いわゆる「低体温」の人が急増しています。 低体温は「血液衰弱」を招き、「癌体質」に陥る大きな原因となります。 低体温の人は、例外なく、血流が著しく低下しています。血流が低下すれば、当然、新陳代謝が滞り、汗や尿、 便として排出されるはずの老廃物が体内に蓄積され、癌を招く下地を作ります。
また、低体温は基礎代謝も低下させます。その結果、血液中に余分な脂肪や糖がだぶつく「ドロドロ血液」を招きます。 ドロドロ血液に陥れば、細胞への栄養や酸素の供給が阻害され、細胞の癌化が促されることになります。 さらに、低体温は「免疫力」 にも悪影響を及ぼします。 免疫をつかさどる白血球は37~38℃の体温で最も活発に働きます。 ところが、低体温の人では、白血球の働きが不活発になり、免疫力が衰えてしまうのです。 免疫力が衰えれば当然、癌細胞も増殖しやすくなります。 実際、癌細胞は体温が約35℃のときに最も活発に増殖することが明らかになっています。
【関連項目】 『低体温と免疫力低下』
●低体温に陥りやすい人
肥満やシャワー浴も低体温を招く原因
低体温に陥りやすい人にはいくつか共通した特徴があります。そうした特徴について、簡単に説明しましょう。 それぞれが自分に当てはまらないかチェックしてください。
- ▼肥満
- 脂肪はいったん冷えるとなかなか温まらないという性質があるため、 体の冷えた状態を長引かせることになります。
- ▼便秘
- 便秘になると新陳代謝が衰えるため、低体温を招きます。 また、低体温だと腸の働きが悪化するため、便秘と低体温の悪循環に陥りやすくなります。
- ▼猫背
- 猫背でいると、肺が圧迫されて呼吸が浅くなります。そうなると、酸素不足が起こって新陳代謝が衰え、 低体温を招くようになります。
- ▼多汗
- 暑くもないのに体を少し動かしただけで汗をかくのは、体内に余分な水がたまっている証拠。 余分な水分は体を冷やす原因になります。
- ▼シャワー中心の入浴法
- シャワーだけで入浴を済ますと、体の芯まで十分に温まりません。 そうしたことを日常的に続けると、低体温を招きやすくなります。
●低体温に陥っていることを示すからだのサイン
クマのある人や赤ら顔の人は癌体質
実際に自分が低体温に陥っているかどうかは、体温計で平熱を測れば簡単にわかります。 その際、1日の平均体温と同じになる午前10時に測るのがいいでしょう。 そして、1週間ほど測ってみて体温が36.5℃を下回ることが多ければ、低体温といえます。 また、低体温かどうかは、自分のふだんの体調を思い返したり自分の顔を鏡で見たりすることでもわかります。 低体温に陥っていることを示すからだのサインについては、下記のようになります。 これらの項目に思い当たるものが多ければ、すでに低体温で、癌を招きやすい体質に陥っていると考えられます。 なかでも、1~3の症状が現れている人は、特に要注意です。
- 1.赤ら顔
- 赤ら顔の人は、一見体温が高そうに思えますが、実は、低体温に陥っている場合が少なくありません。 というのも、赤ら顔は「冷えのぼせ」といって、下半身が冷えて血流が悪くなり、 体熱が頭部など体の上方に集まってのぼせた状態を示しているからです。 赤ら顔の原因が、体温が高いためなのか、低体温のためなのかは、唇や歯茎の色を見ればわかります。 紫色に近い場合は、低体温に陥っている証拠です。
- 2.目の下のクマ
- 目の下の皮膚は非常に薄くて、そこに張り巡らされた毛細血管が透けて見えるほどです。 全身の血流が滞ると、その影響は真っ先に目の周りに現れます。 もし、目の下の皮膚が黒ずみクマができているようなら、間違いなく低体温に陥っています。
- 3.生理不順
- 低体温に陥り血流が衰えると、女性特有の悩みが増えてきます。 特に、下半身が冷えると卵巣や子宮の働きが低下します。 その結果、生理不順や生理痛、不正出血などが起こったりします。
- その他
- ・鼻の頭が赤い
- ・歯茎が黒ずんでいる
- ・紫色の唇
- ・手のひらが赤い
- ・クモ状血管腫
- ・手足の冷え
- ・風邪を引きやすい
- ・青あざが出やすい
- ・痔による出血
- ・下肢静脈瘤
以上述べたように、低体温の人は絶えず発癌の危険にさらされているといっても過言ではありません。 自分が低体温に陥っていることがわかったら、一日も早く、低すぎる体温を上げる努力が必要です。