不整脈の検査

不整脈」の診断には、「心電図検査」が欠かせません。 ただし、医療機関での検査の最中に発作が起こるとは限らないため、 最近では発作が起きたときに自分で簡単に心電図を記録できる家庭用心電計も使われるようになっています。


■心臓の異常を調べる検査

「心電図検査」で心臓が発する弱い電流を調べる

『不整脈』をはじめ、心臓の異常を調べるためにまず行なわれるのが「心電図検査」です。 心臓は、自ら発する電気信号によって拍動しています。 この心臓の微弱な電流を体の表面でとらえ、波形に描き出したものが『心電図』です。 健康な人の心臓の場合、心電図の波形は規則正しくリズミカルに繰り返されます。 ところが、不整脈がある場合、例えば「徐脈性不整脈」では、波形が間延びしたようになります。 「頻脈性不整脈」では、波形が立て続けに起こります。

心電図検査は、波形の乱れによって不整脈をはじめとする心臓の病気を発見すると同時に、 不整脈のタイプも診断できる検査です。不整脈によって起こる可能性のある「息切れ、動悸、胸苦しさ、めまい」 といった症状が少しでもあれば、一度、循環器科などで心電図検査を受けることをお勧めします。 たまにしか現れない症状でも、危険な不整脈の前兆ということが有り得るからです。



■医療機関で受ける心電図検査

▼12誘導心電図
医療機関で行なわれる最も一般的な方法です。ベッドにあお向けに寝て、胸に6ヶ所、両手首、 両足首の計10ヶ所に電極を貼り、12種類の心電図を約15秒間同時に記録します。

▼ホルター心電図
5つの電極を胸に貼ったまま、睡眠を含めて通常通りの生活を送り、心電図を24時間継続して 携帯型の記録器に記録します。

ただし、これらの心電図検査では、月に1回とか、年に数回しか起こらないような不整脈を捉えるのは困難です。 そのため、最近では、不整脈の発作が起きたときにすぐ記録できる 「家庭用心電計(イベント心電計)」が普及しつつあります。


■家庭用心電計

症状が起こったらすぐに記録し、診断に役立てる

家庭用心電計には、いろいろな種類があります。いずれも片手で持つことができ、電池式なので携帯が可能で、 簡単な操作によって患者自身で心電図を記録できます。また、波形やメッセージが表示される画面がついていて、 結果をすぐに確認できます。

●家庭用心電計を使用する際の注意

▼まずは専門医に相談する
家庭用心電計は医師の指示のもとで医療機関から借りる他、3万円程度で薬局などで購入することもできます。 しかし、不整脈で見られる症状は、不整脈以外の病気などでも現れることがあるので、 まずは心臓の専門医を受診し、一通り検査を受けた上で、医師の指示に従って使うようにしましょう。

▼症状が起きたらすぐに記録する
不整脈を捉えるには、症状が現れたら、その場ですぐに記録する必要があります。 常に携帯し、日頃から使い方を練習しておきましょう。

▼定期的に診断を受ける
記録した結果は担当医に見せて、診断を受けるようにしてください。