高血圧と便秘

脳卒中も招く高血圧の大敵「便秘」は、快便栄養の宝庫「ゴボウ茶」で楽に治り、血圧も低く安定。 排便時のいきみこそ血圧を急上昇させて脳卒中を招く害悪で快便栄養の豊富なゴボウ茶が効く。


■降圧薬で便秘が起こる人もいる

便秘は、吹き出物やニキビといった肌のトラブルや肥満、大腸ポリープなど、さまざまな症状・病気を引き起こすと、 一般的に知られています。そんな便秘は、高血圧とも密接な関係があります。 便秘と高血圧の関係について特筆すべきは「排便時の息み」です。 便秘の人は、排便するときに呼吸を止めて、ぐっと息みます。この時、血圧が一挙に上がってしまうのです。 人によっては、最大血圧が50ミリ以上上がることもあります。 高血圧でない人の場合、排便時に息んだからといって、すぐに血圧が高く安定するわけではありません。 しかし、便秘で毎日息んでいる洋画と、ちょっとしたことでも血圧が上がりやすくなり、ひいては高血圧になってしまいます。 また、すでに高血圧の人が息んで血圧が上がるのは、非常に危険です。 息むことで血圧が急上昇した時に、脳の血管が詰まったり破れたりする脳卒中の起こる危険があるのです。 脳卒中が起こると、脳細胞が死んでしまい、麻痺・言語障害・認知障害など、さまざまな症状が引き起こされるし、 治療が遅れると死亡することもあります。実際に、朝の排便時に脳卒中が起こる人は多いようです。

さらに、高血圧で降圧薬を服用している人も、便秘になりやすいといえるでしょう。 降圧薬と一口に言っても多種類あり、そのうちの一つに「利尿薬」があります。 利尿薬は、尿の出をよくすることで、体内で過剰に増えた塩分を排泄して血圧を下げる効果があります。 この利尿薬を飲んでいる人は、尿が出過ぎて便が硬くなり、便秘になってしまう場合があるのです。 加えて、カルシウム拮抗薬という薬も、便秘を招きやすいといえます。 カルシウム拮抗薬は、筋肉を弛緩させて血管の収縮を妨げることで血圧を下げる薬で、 服用していると大腸の蠕動運動が弱くなってしまうためです。


■腸の働きをよくする食物繊維が実に多い

こうしたことから、高血圧対策では便秘を解消する必要があります。 便秘を解消する方法はいくつもありますが、特にお勧めしたいのが「ゴボウ」です。 ゴボウは古く中国から伝わったもので、その種子が生薬(動植物などをそのままが一部下降して用いる薬)として 漢方薬に利用されてきました。食用には、江戸時代から明治時代にかけて使われるようになり、 現在も日本人に大変好まれている根菜です。このゴボウに豊富に含まれている成分に、胃腸の働きを活発にして 便秘を解消するものがあり、その代表が食物繊維です。 そもそも、私たちの腸内には、たくさんの細菌が棲みついていて、体にとって有益は働きをする善玉菌と、 健康を害する悪玉菌があります。肉食中心の食生活をしていると、このうちの悪玉菌が多くなり、 善玉菌が少なくなってしまいます。すると腸の活動が衰えて、便秘になってしまうのです。

こうした状況を一変させるのが、食物繊維です。食物繊維を摂れば、腸の善玉菌が増えて悪玉菌が少なくなるため、 腸の活動が活発になって便通を速やかに促してくれるのです。 また、食物繊維が厳密にいうと水溶性(水に溶けやすい性質)と不溶性(水に溶けにくい性質)の2種に大別できます。 水溶性の食物繊維は、胃腸内をゆっくりと移動する性質があるため、空腹を感じにくくさせてくれます。 しかも、糖質の吸収も緩やかになるため、食後の血糖値の急上昇も抑えることができます。 不溶性の食物繊維は、胃腸内で水分を吸収して大きく膨らみ、腸の蠕動運動を促すという働きがあります。 ゴボウは、両方の食物繊維が豊富で、ゴボウ100g中に水溶性が2.3g、不溶性が3.4gも含まれています。


■ゴボウには便秘解消に役立つオリゴ糖も多い

さらに、ゴボウにはオリゴ糖ががっぷりと含まれています。オリゴ糖とは、腸内の善玉菌のエサになって、 その増殖を助ける少糖類(単糖が少数つながったもの)。 ゴボウに含まれているのは、フラグオリゴ糖という種類で、低カロリーなのに甘みがあります。 補うと、小腸を素通りして大腸に直接届き、善玉菌のエサになります。 このことからもゴボウは胃腸の働きをよくして、便秘の解消に役立つことがわかるでしょう。

一般に、ゴボウを摂るとすると、きんぴらゴボウや牛肉のしぐれ煮などが頭に浮かびます。 こうした料理でゴボウを食べるのもいいのですが、作るのも手間がかかるし、毎日食べるわけにもいきません。 そこで、ゴボウの皮も使う茶、すなわちゴボウ茶を飲むのをお勧めします。