高血糖と合併症から起きる危険な自覚症状

高血糖と合併症から起きる危険な自覚症状総まとめ。


■慢性的な高血糖が引き起こす症状

①尿の量と回数が増える
昼夜を問わず、尿の量と回数が増えます。 尿中のブドウ糖が増したことで、浸透圧の作用で体内の水分が尿として排出されやすくなるためです。

②尿の臭いが甘ったるい
糖を多く含む尿からは甘ったるい匂いがして、色は淡いのが特徴。尿の泡立ちが増えることもあります。

③異常に喉が渇く
尿量が増えて脱水状態になることに伴って、必然的に喉の渇きが強くなります。 飲んでも飲んでも渇きが止まらない状態にまでなり、1日の水分摂取量は健康な人の5倍にもなるといわれています。

④食欲が旺盛になる
高血糖とはすなわち、体内で ブドウ糖がエネルギーとして活用されていない状態です。 そのため、脳が足りないエネルギーを補わなくてはと判断して、食欲が旺盛になるのです。 特にこれまでさほど好きでもなかったのに甘いものが無性に食べたいと感じるようになったら要注意といえるでしょう。

⑤体重が急激に減少する
食事の量が増えてもエネルギーとして活用されず、ブドウ糖が尿中に排出されることもあって、 体が慢性的なエネルギー不足となって痩せていきます。 ブドウ糖の代わりに、脂肪がエネルギーとして燃焼することも、体重の減少に拍車をかけます。

⑥少し動くだけで体がだるい
やはり慢性的なエネルギー不足になっているために、ちょっと体を動かすだけでもぐったりと疲れてしまったり、 身の置き所のない倦怠感に襲われることもあります。

■糖尿病の合併症が引き起こす症状

高血糖によって、特に手足の末梢神経がダメージを受けるために、ビリビリ、チクチクといった知覚障害の痺れを感じるようになります。 ひどくなると、痛みや熱も感じにくく、暖房器具で知らぬ間に火傷をしてしまうケースもあります。

①手足が痺れる
高血糖のために毛細血管の血流が詰まってしまうと、小さなやけどや擦り傷などの治りが長引いたり、おでき、口角炎などもできやすくなります。 化膿しやすくなるという点も問題です。

②火傷や傷が治りにくい
眼底の毛細血管の血流が高血糖のために詰まると、物がぼやける、二重に見えるなどの視覚異常が生じます。 重大な合併症である糖尿病性網膜症は成人の失明原因の第1位です。

③虫歯・歯周病が悪化する
唾液に含まれる糖の量まで増えるために、 虫歯歯周病にかかりやすく、悪化することがよく見られます。 事実、糖尿病になってから歯が悪くなり、入れ歯をする患者さんは多くいます。

④こむら返りがよく起きる
夜、寝ているときや激しい運動をした時などに、こむら返りが起きやすくなります。 これも高血糖が引き起こす神経障害の一つと考えられます。

⑤皮膚がかゆくなる
高血糖のために自律神経が侵されると、発汗機能が低下して皮膚が乾燥してかゆくなることがあります。

糖尿病が改善に向かうと、こうした症状が軽快して顔の色艶がよくなったり、目にも輝きが戻って、体に活力もあふれるように。 イライラすることが無くなったという人もいます。血糖値、ヘモグロビンA1cはもちろん、こうした体調面の回復を自覚することができれば、 糖尿病の合併症の危機から脱しつつあると自信を持ってよいでしょう。