肥満症・メタボ対策
『ダイエット』
肥満は生活習慣病やメタボリックシンドロームになり易い要因の一つです。 ダイエットにより自己管理しましょう。
■ダイエット
ダイエットは、大きく2つの段階に分けられます。
第一段階は内臓脂肪を減らすダイエットです。食生活の改善や運動不足の解消によって、
すぐに内臓脂肪が減ってきます。この段階では、必ずしも標準体重まで落とす必要はありません。
「現在の体重を5%減らす」だけで、血糖値や血中脂質値、血圧なども改善されることがわかっています。
第二段階は、皮下脂肪を減らすダイエットです。内臓脂肪を減らすときよりも時間がかかりますが、
腰や膝にかかる負担を軽減できます。
●リバウンドによる脂肪の蓄積
「肥満」は生活習慣病の要因であり、健康を守るために減量を目指すのはよいことですが、 ダイエットには大きな落とし穴があります。 減量に成功しても、やせた状態を保つのは減量すること以上に難しいものなのです。 つい気が緩んで食べ過ぎてしまうと、以前より体重が増えてしまいます。 これが「リバウンド」です。
ダイエットで体重が減少すると脂肪とともに筋肉も落ちます。 逆に体重が増加するときには筋肉は増えず、脂肪だけが増加します。 もとに戻っても体脂肪率は前より増加しています。 脂肪組織はエネルギー消費量が少なく、痩せる前と同じ量の食事でもエネルギーが過剰となり、 さらに体重を増やすことになるのです。
最小限の脂肪蓄積は生存のために不可欠で、体重が減ると蓄積の効率を高めるように防御機能が働きます。 ダイエットを中断して体重が戻っても蓄積の効率は高いままで、減量前に比べ脂肪が付きやすくなっています。 また、脂肪細胞は内部にためられる脂肪量に限界があって、脂肪の蓄積が進めば脂肪細胞は分裂して、 その数を増やします。一度増えてしまった細胞の数はなかなか減りません。 脂肪がよりたまりやすい体質になってしまいます。
脂肪蓄積を促すもう一つの変化として、「食物嗜好の変化」があります。 無理なダイエットなどで急激に体重が減ると、甘いものやエネルギー効率のよい脂肪を好むようになります。 嗜好の変化は体重増加後も続きます。
●ダイエットと生活習慣病
ダイエット時には全身から脂肪が減りますが、体重が戻るときには内臓脂肪が付きやすいので、
ウェストが大きくなって内臓脂肪の多いメタボリックシンドロームになり、
糖代謝や脂質代謝を妨げて糖尿病、高脂血症、高血圧のリスクになる可能性があります。
さらに、急激な体重変動自体が全身の代謝機能や内蔵機能に大きな負担を与えます。
無理なダイエットを実施すると、カルシウム、各種ビタミン、鉄などが不足することもあります。
ダイエットはつらいですが、それ以上にスリムになった状態を長く維持することは難しいものです。
健康を目指してのダイエットが、かえって体を不健康な体質に変えてしまうことすらあります。
リバウンドに注意して無理のないダイエットをすることが大切です。