【質問】結膜炎が治りません

2015年から2年間、眼圧を下げる緑内障薬を点眼していましたが、かゆみが生じたため使用を中止しました。 2017年の7月に「結膜炎」と診断され、それ以来ずっとステロイドの点眼薬を使っています。 その間、2種類の抗アレルギーの点眼薬も使用しました。しかし、いまだにかゆみが止まりません。 刺すようなかゆみも時々あり、目の周りがかゆいときもあります。ステロイド薬は強い薬といわれていますが、このまま使い続けても大丈夫でしょうか。
●79歳・女性
●既往症:白内障手術(両眼)、偽黄斑円孔


【答】

結膜とは、眼球の白目の部分と瞼の裏側の一番表面にある膜のことです。 この部分に炎症が起こることを「結膜炎」と呼びます。 結膜炎になると、結膜が充血して赤くなり、涙や眼脂(めやに)が出て、痛みや異物感、かゆみが生じます。 結膜炎は、細菌やウィルスなどの感染、アレルギーなどが原因です。 ご質問者の場合、症状としてかゆみが強いようです。かゆみは、「アレルギー性結膜炎」に特徴的とされています。 アレルギーとは、 本来無害なものに対して体の免疫が過剰に反応することで、 アレルギーを起こす抗原が杉などの花粉の場合は「花粉症」 として季節性のアレルギー結膜炎になりますし、ハウスダストなどが抗原である場合には通年性で症状が出現します。

アレルギー性結膜炎の治療は、アレルギー反応を引き起こす抗原を避けることと、抗アレルギー薬の点眼です。 それでも効果が十分でない場合には、ステロイドの点眼が処方されます。 ステロイド薬は効果が髙いのですが、 「緑内障」 「白内障」 あるいは感染症などが副作用として生じることがあり、長期間の使用では注意が必要です。 診察しないと確かなことは言えませんが、1年以上ステロイドや抗アレルギー薬の点眼を使用しているのによくならないこと、 緑内障の点眼治療中に突然かゆみが生じたことを考えると、点眼薬に対する薬剤アレルギーが疑われます。 しかもいろいろな点眼薬で起こっています。 したがって点眼薬が原因なのではなく、これらの点眼薬に共通している防腐剤などの成分に対してアレルギーがあり、 重症化して、結膜炎に加えて瞼の「接触皮膚炎」にもなっていることが疑われます。 担当医に相談の上、一度すべての点眼を中止して、症状が改善するかどうかを確かめること、 アレルギー専門外来でブリックテストなどを行って、薬剤アレルギーの有無を詳しく検査してもらうとよいと思います。

薬剤アレルギーでないとすると、ステロイドを長期間使用していますので、弱毒菌による慢性の結膜炎、 涙がこぼれやすく眼脂が多いのであれば「涙嚢炎」、稀ですが難治性の眼表面疾患などの可能性もあります。 いずれにしても、まず担当医に、経過が長くて不安であることを率直にお話しされてはいかがでしょうか。

(この答えは、2018年10月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)