80歳になっても20本以上自分の歯を保とう!
歯の数や噛み合わせなどの口腔機能と全身の機能は非常に複雑に絡み合っており、 歯がなくて噛めない状態は身体的・精神的な問題を引き起こすことがわかっています。 口腔機能を健康に保つことは、体の健康維持に直接的に影響するといっても過言ではありません。
■「自分の歯で噛む」ことは、心身の健康の必須条件
年齢が上がるにつれ、免疫力が落ちていくことはみなさんご存知でしょう。
これは単に加齢が原因というだけではなく、自分の歯で噛めなくなって、必要な栄養が摂れなくなることも要因の一つです。
特に野菜がしっかり噛めなくなって、野菜の摂取量が減ってしまうことは問題です。
野菜に含まれるビタミンやミネラルは免疫力を維持するのに欠かせない栄養素です。
ビタミン類の不足によって免疫力が低下すると、
活性酸素といわれる体を酸化させる物質が増えて、
癌や認知症などを引き起こすといわれています。
また、「新潟高齢者スタディー」では、高齢者であっても食べたいという欲求が満たされないと、それが大きな心のストレスになることがわかりました。
それだけでなく、歯がなくて咀嚼がしっかりできない人と咀嚼できる人とを比べると、
咀嚼できない人は明らかに生存率が低いというデータもあります。さらに、上下の歯の噛み合わせが多い人ほどあごの位置が定まり、
全身のバランスがよくなって、敏捷性やジャンプ力などの身体機能が高いという調査報告も出ています。
このように、歯の数や噛み合わせなどの口腔機能と全身の機能は非常に複雑に絡み合っており、 歯がなくて噛めない状態は身体的・精神的な問題を引き起こすことがわかっています。 口腔機能を健康に保つことは、体の健康維持に直接的に影響するといっても過言ではありません。 口腔機能を健康に保つのに気を付けなければならないのが「歯周病」です。 歯をなくす主な原因は虫歯と歯周病ですが、 歯周病は年齢とともに悪化し、40歳を過ぎると歯周病で抜歯する人が急激に増えてしまいます。 歯周病は20年、30年という期間をかけて発症するという点では生活習慣病と同じです。症状のない段階からケアをしておくことが非常に大切です。
もう一つ、歯周病と関連して日頃から気を付けたいのが「口臭」です。 口臭の主な原因は揮発性硫黄化合物(VSC)です。VSCは食べかすや剥がれ落ちた細胞などが口の中の常在菌によって分解されて発生するもので、 舌苔(舌の表面の白い苔のようなもの)で産生されています。 そして、歯周病菌はVSCの中でも悪臭の強いメチルメルカプタンという物質を大量に産生します。 家族から口臭を指摘されたら歯周病かもしれません。 歯科医師を受診してチェックしてもらいましょう。それが、将来の健康的な生活の基盤づくりに繋がります。