中性脂肪対策

■油断できない中性脂肪

多忙な毎日を送っている方達にとって、運動習慣を身につけている人は以外に少ないのでは?
ある企業が首都圏に住む30~50歳代のサラリーマンを対象に、日常行っている運動量について調べてみました。 すると、適度な運動量と答えた人はたったの11%に過ぎず、運動量が少し足りない、まったく足りない、と答えた人を合わせると、全体の約9割のものぼりました。   その理由としてもっとも多かったのが、時間が足りないが61%、次いで、面倒だから、運動する環境が整っていないという答えが続きました。   この調査から、運動には時間や環境が必要だと考えている人が多いことがわかりました。   しかし、ふだんの生活の中でも運動はできますし、体を動かす量を今より少し増やすだけでも、脂肪をためない対策につながります。 そこで、毎日の生活の中で、体をこまめに動かす習慣を身につけていくことが大切です。一つ一つ小さなことでも、 コツコツ積み重ねていけば、脂肪をためない生活習慣につながります。

◆テレビのリモコンを使わない。
◆休日は徹底的に掃除をする。
◆寝る前に5分ほど体操をする。
◆30分以内の移動は、徒歩か自転車で。
◆電車やバスでは姿勢を正して立つ。

こんな簡単なことから始めてはどうでしょうか?
特に、食事の3~4時間後に体を動かすと効果的だと考えられます。 この時間帯は、食事からとった脂肪が血液中を流れていますから、体を動かすことで、血液中の脂肪が優先的に使われるからです。 すでに内臓脂肪がたまっている人や、体力があって積極的に運動したいという人には、 ウオーキングサイクリング、水泳などの「有酸素運動」がおすすめです。

運動開始から20分くらいすると、糖質より脂肪が使われる割合が大きくなるということですが、 正確には、もっと短時間の運動でも脂肪は使われています。 10分くらいのこまぎれの運動でも、脂肪を燃やす効果は十分にあります。   毎日、あるいは1日おきの運動を半年ほど続けると、「おなか回りがすっきりしてきた」など、実感できるようになります。


■食生活の改善

中性脂肪を減らす第一の方法は、食生活の改善。 1日に必要な摂取カロリーを頭に入れて、その範囲内だけ食べるようにすること。 しかし、食生活に気を配らなくちゃいけないとは思っていても、忙しくてなかなか思い通りにいかないビジネスマン。 毎日きちんとカロリー計算なんてことは到底不可能ですよね。
そこで提案です!
毎日の摂取カロリーと、朝・昼・夕食の献立パターンを大体決めて頭に入れてしまいましょう。 実際にどんなメニューにするかはパターンにそってその都度考えればOK! 具体的な献立パターンについては色々ありますが、それは次月号でご紹介したいと思います。

減量を頭に入れた場合の1日の摂取カロリーの目安は、以下の通りです。

   [1日の摂取カロリーの目安] = [(身長-100)×0.9]×25~30kcal

例えば身長170cmの場合、
[(170-100)×0.9]×25~30kcal = 1575~1890kcal 位の数値になります。
つまり、約1600kcal~1900kcalの間といった感じで目安にして下さい。
身長150cm以下の人は0.9をかけなくてもよく、普通に計算をしてみると
(150-100)×25~30kcal = 1250~1500kcalといった感じになります

また、身長170cmの人の場合、1600kcalを摂るか1900kcalを摂るかは、日頃どのくらい体を動かしているかで決めるのが一般的です。 デスクワーク中心で通勤時間も短いという人なら低い方の値になります。 ただし、突然大幅な食事制限に挑戦すると挫折してしまう場合が多いので、 最初は無理のないところから少しずつトライしましょう。


■中性脂肪を減らす食生活

中性脂肪を減らすためには、毎日の食生活に気をつけないと・・・
分かってはいても、忙しいとなかなか実現できないもの。 そこで、1日の摂取カロリー内での、朝、昼、夕食の献立パターンをご紹介。 このパターンにそって、毎日の献立を決めていってみましょう。 「絶対に守らなきゃ」なんて固いことは考えず、気楽に気長に取り組んでください。


●朝食編

1日の摂取量1800~1900kcalと考えた、毎食ごとの献立パターンを紹介しましょう。 ただし、これはあくまでも一つの例です。

  • たんぱく質は卵1個ぐらいが目安
  • 朝の野菜は2口×4種類が目安
  • 昼食が外食で野菜があまり摂れない場合、朝食で120gぐらいの野菜を摂る。   例えば、トマト1/4切れ、 キュウリ1/4切れ、ブロッコリー20g(2房ぐらい)玉ねぎ約1/4個ぐらい。   男性ならそれぞれ2口ぐらいで食べれそうな量。   そこで、「朝の野菜は2口×4種類」を目安にします。   そのうち1種類以上は、緑黄色野菜からとること。  
  • 朝の主食はトースト1枚、飲み物は牛乳1杯
  • ごはんの場合はお茶わんに軽く1杯(約110g)
  • マーガリン・ドレッシングは全部で大さじ半分程度
  • 油脂類は1日大さじ2杯(大さじ1杯で大体80kcal)までが目安。
  • 昼食外食の場合、朝の油はなるべく控えた方がいい。

上のメニューでいくと、オムレツならバター(マーガリン)大さじ1/4、 サラダのドレッシングは大さじ1/4ぐらいにしましょう。   味気が無い分は、塩や醤油でプラス。とはいえ塩や醤油も使い過ぎには十分注意!

◆ワンポイントアドバイス特別編

「朝」関係でもうひとつ。「朝の生活」についてです。 朝は一日の始まり。リズムを整えることで、一日がとてもすごしやすくなります。
  ・人は脳から分泌されるメラトニンにより睡眠を促されています。    朝、起きた時に日の光を浴びる事によりメラトニンの濃度を下げ、気持ち良い目覚めにつながります。   毎日、決まった時間に起きるようにして体内時計を一定にするのが良いでしょう。
  ・シャワーを浴びる事により、皮膚に刺激を与えるのはもちろん、交感神経系を優位にし、目覚めがスッキリします。   ・朝食はしっかりと。パンやごはんなどの炭水化物よりも肉・魚など蛋白質のものを少し多い目に食べましょう。

  簡単にまとめると・・・

  1.日光浴をしましょう
  2.毎日同じ時間に起きる心がけを
3.シャワーや朝風呂など
  4.朝食は炭水化物よりたんぱく質のものを少し多めに

  といった感じでしょうか。   このうちの1つや2つでも心がけてみると、朝のリズムも心地よいものになるのではないでしょうか?   一度おためしください♪