SSRI・SNRI
SSRI・SNRIは鬱病(うつ病)の薬で 「SSRI」はセロトニンの再取り込みを、「SNRI」はセロトニンとノルアドレナリンの両方の再取り込みを阻害します。 SSRI・SNRIは、特に不安感が強い鬱病(うつ病)に効果的といわれ、「パニック障害、強迫神経症、社会不安障害」などの不安障害にもよく用いられます。
■SSRI
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、セロトニンの再取り込みだけを選択的に阻害する薬で、
他の神経伝達物質にはほとんど作用しないため、三環系抗うつ薬のような起立性低血圧、
抗コリン作用や抗ヒスタミン作用による副作用、心臓への影響がほとんどありません。
副作用が比較的少ないため、有効量に達するまで薬の量を増やしやすく、
現在、軽症から中等症の鬱病(うつ病)に抗うつ薬を使う際には、
この薬か後述のSNRIを最初に用いるのが一般的です。
日本では1999年に、「マレイン酸フルボキサミン」が、2000年に「塩酸パロキセチン水和物」が使えるようになり、
2006年には「塩酸セルトラリン」が加わって、現在、3種類のSSRIが使えるようになっています。
SSRIは、特に不安感が強い鬱病(うつ病)に効果的といわれ、「パニック障害、強迫神経症、社会不安障害」
などの不安障害にもよく用いられます。心療内科や内科などでも、うつ状態がある場合に用いられています。
●副作用・使用上の注意
吐き気、嘔吐などの消化器系の副作用が起こりやすいのですが、最近は、「胃腸粘膜保護薬」併用することが多くなり、を 実際に副作用が問題になることは少なくなっています。 薬の併用による相互作用が起こるため、併用が禁じられている薬がある人は、必ず医師に伝えてください。 特に心臓病、高血圧や脳梗塞の薬を飲んでいる人は注意を要します。
■SNRI
SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)は、新しい種類の抗うつ薬で、
SSRIがセロトニンの再取り込みだけを阻害するのに対し、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害する作用があります。
SSRIと同様に、その他の神経伝達物質にはほとんど作用しないので、抗コリン作用や抗ヒスタミン作用による副作用、心臓への影響が少ないのが特徴です。
セロトニンとノルアドレナリンの両方に作用しますが、セロトニンだけに作用するSSRIより抗うつ効果が高いというわけではありません。
日本では、2000年から「塩酸ミルナシプラン」という薬が使われています。
消化器系の副作用や薬の併用による相互作用の問題がSSRIよりも少なく、
軽症の鬱病(うつ病)の人には使いやすい薬といえるでしょう。
●副作用・使用上の注意
前立腺肥大症のある人では、ときに尿が出にくい傾向が強まるとされています。