アディポネクチンの不足度自己チェック

あなたの体の中の長寿ホルモン(アディポネクチン)の量が多いか少ないかを判定する自己チェック法です。

■アディポネクチンの量

アディポネクチンの量は血液検査でわかる

長寿ホルモンのアディポネクチンが体内に多いか少ないかは、全国の多くの医療機関の血液検査で簡単に調べられる ようになってきました。内科のかかりつけ医や総合病院の肥満・糖尿病専門外来で申し込めば、この検査は自己診療 (4000~5000円程度)で受けられます。 その結果、アディポネクチンの値が1ミリリットル当たり4マイクログラム以下の人は、「低アディポネクチン血症」 と診断されます。 低アディポネクチン血症の人は、高血圧・糖尿病・脂質異常症・脳卒中・心筋梗塞・癌などの病気になりやすいので、 その改善を図る(アディポネクチンの量を増やす)ことが肝心です。

では、アディポネクチンの値が4マイクログラム以上の人は何もしなくていいかというと、そうではありません。 アディポネクチンは長寿ホルモンなので、多ければ多いほど健康長寿につながると考えられています。 また、今のところまあまあの値であっても、将来はわかりません。実は、その人の生活習慣や体型、体質によって、 アディポネクチンの量は変動するのです。 ある調査では、アディポネクチンの平均値は男性で8.3マイクログラム、女性で12.5マイクログラムという結果が出ました。 アディポネクチンの値がこれらの平均値を下回る場合、アディポネクチンを増やす対策に積極的に取り組むべきだと考えられます。


●自己チェック

生活習慣でアディポネクチンが多いか少ないか推測できる

また、前述の調査の結果から、アディポネクチンの検査を受けなくても①生活習慣、②体型、③体質をチェックすれば、 アディポネクチンの量をある程度推測できることもわかりました。 それをもとに作られたものが下記の自己チェック表です。該当する項目があったらチェックしてください。

【生活習慣】

朝食をとらないことが多い
間食が多い
食事の時間が不規則だ
青背の魚はあまり食べない
野菜・海藻類はあまり食べない
豆腐や納豆などの大豆食品が嫌い
揚げ物や脂っこいものが好き
運動はほとんどしない
休日や暇なときはゴロゴロして過ごす
外出先で階段をほとんど使わない
タバコを吸う
お菓子やアイスクリームをよく食べる

この項目にチェックが多く付いた人は、ただちに悪い生活習慣を改めてください。今のままの生活習慣を続けると、 内臓脂肪が増えてアディポネクチンが減り、血圧や血糖値の上昇を招きかねません。 特に食事の時間が不規則で朝食を摂らない人は、昼食や夕食でドカ食いしがちなので、 内臓脂肪の蓄積に注意してください。

青背の魚が嫌い、野菜・海藻類をあまり食べない、大豆製品が嫌いで、脂っこいものが好きな人は、 肥満が避けられません。また、運動をほとんどせず、休日にゴロゴロしてしまう人は、 内臓脂肪を減らすために日常生活の中でもっと体を動かす必要があります。

【体型】

ウェストが、女性なら78cm、男性なら85cmを超えている
ウェストが、身長の1/2以上ある
肥満指数のBMI値が23を超えている
20歳のころの体重と比べて、女性なら8kg、男性なら10kg以上増えている
内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)である

ウェストが太くなる内臓脂肪型肥満になると、アディポネクチンは確実に減ってしまいます。 ウェストが男性では85cm以上、女性では78cm以上になると、アディポネクチンの値が平均より低くなってきます。 身長による体格差を考慮してウェストを身長で割った指数とアディポネクチンの値との関係を調べた場合では、 ウェストが身長の1/2以上あると、アディポネクチンの値は平均より低くなります。 当然のことながらBMI値という肥満指数が多くなっても、アディポネクチンの値は低くなります。 BMIの基準では25以上が肥満と診断されますが、前述の調査では23を超えていればすでにアディポネクチンの値は低いという結果が出ています。 また、20歳のときの体重と比べて女性なら8kg、男性なら10kg以上増えている場合も、 アディポネクチンの値は平均以下になります。

【体質】

祖父母・親・兄弟で、癌・心筋梗塞・脳梗塞を患った人がいる
本人、または祖父母・親・兄弟が糖尿病を患っている
中性脂肪値が高い
高血圧である
メタボリックシンドロームといわれた

遺伝もアディポネクチンの量に大きく関係します。前述の調査では、低アディポネクチン血症と判定された女性7人の内4人は、 両親のどちらか或いは両親とも癌になった経験の持ち主でした。また、低アディポネクチン血症の男性32人のうち14人は、 両親のどちらかが心筋梗塞を起こしていました。 血糖値や中性脂肪値が高い人も、遺伝的にアディポネクチンの少ない人が多いようです。

◆判定

自己チェックで合計6項目以上該当した人はアディポネクチンの不足が心配なので、該当項目を中心に、 生活習慣を改善するように努めてください。11項目以上該当した人は、アディポネクチンがかなり不足していると考えられるので、 一度受診したほうがよいでしょう。