■一日中、足の裏が痺れています

一日中、足の裏が痺れています。また、夜ベッドに入ると、足の裏が火照って眠れません。 整形外科では「血液の流れが悪い」ということで、リリカを処方されましたが、効果はありません。 冬の寒い夜中でも足が火照り、困っています。
●80歳代・女性


【答】

人間の神経の走行は、誰でも基本的に一緒です。そのため、神経に携わる医師は、 患者さんの訴える痛みや痺れの症状の部位、範囲、左右差(両側なのか、片側なのか)などから、原因となっている部位を探っていきます。 足裏の神経は、主に腰椎神経の4番目、5番目、仙椎神経の1番目の3本の神経と繋がっています。 この腰の部分は 「腰部脊柱管狭窄症」「腰部椎間板ヘルニア」が起こりやすいところです。 そのため、足裏に症状がある場合は、腰の病気が原因である場合と、末梢の足裏の神経だけに原因がある場合があります。 足裏の神経が障害される病気の代表は、 「足根菅症候群」「末梢神経障害」です。 足根菅症候群は、足の内側のくるぶしにあるトンネル(足根菅)を通る脛骨神経が圧迫される病気で、その先の足底神経(足裏の神経)に痛み、 痺れ、灼熱感、その他の違和感(砂の上を歩いている感じ、何かが貼り付いている感じ、足の指に何かが挟まっている感じ)などが現れます。 これらの症状は、入浴するなど温めると悪化することがあるようです。 一方、末梢神経障害は、加齢による変化、 糖尿病やビタミン不足、 抗癌剤などの薬の副作用などが原因で起こります。 この場合は、体の中で一番長い神経(足裏や足指に向かう神経)の末端のほうから障害を受けるという特徴があるので、足裏に痺れなどの症状が現れます。 診断には、神経学的な問診、診察、腰椎MRI検査、神経伝導検査などが行われます。 腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアが原因の場合は、腰の手術(脊柱管拡大術、ヘルニア摘出術)によって、 また、足根菅症候群の場合は、足根菅を開放する手術によって、症状が改善する可能性があります。 末梢神経障害については、年齢による変化もあって治療が困難な場合も多く、 神経性疼痛の治療薬、抗鬱薬、漢方薬、ビタミン剤などを使って経過をみるのが一般的です。 最近は、「しびれ外来」を開設する医療機関も増えているので、一度、受診されるとよいと思います。

(この答えは、2020年2月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)