【質問】脚が痺れて困っています

脚の痺れで、毎月、整形外科に通っています。腰椎のMRI検査では異常はありませんでした。 現在はリリカカプセル75mgを朝2錠、夜2錠飲んでいますが、効果がありません。 特に就寝中に痺れがひどくなり、起床後20~30分間ほどは歩くことができません。 痺れ以外に痛みもあり、トラムセット配合錠を服用していますが、効果がありません。 何か良い治療法はありませんか。
●30歳代:男性


【答】

今回のご質問では、痺れが起こるのが片側だけなのか、両脚なのか、また、脚のどの部分がどのように痺れるのかなど、 詳しいことがわからないので、一般的な脚の痺れについてお答えします。

脚の痺れは、「腰部脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」など、 腰(腰椎)の病気が原因で起こる場合があります。これらの病気によって、脊柱管を通る神経の束(馬尾)や、 馬尾から枝分かれして下半身に伸びる末梢神経の根本(神経根)が圧迫されると、脚に痺れが生じることがあるのです。 また、「閉塞性動脈硬化症」という脚の血管の動脈硬化が原因で痺れが生じることもあります。 突然発症して激しい腰痛が起こる椎間板ヘルニアでは、お尻から下肢にかけて痺れが起こることがあります。 腰部脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症の場合は、しばらく歩行した後に脚に症状が現れるケースがほとんどで、痺れだけでなく、痛みも伴うことが多いのが特徴です。

ご質問者の場合、「腰椎MRI検査で異常がない」「就寝中に痺れがひどくなり、起床後に歩けない」ということですから、 これらの病気が原因ではないと思います。そのため、神経痛を緩和する作用のあるリリカカプセルやトラムセット配合錠は、効果がないと思われます。 また、「糖尿病性神経障害」「異常感覚性大腿神経痛」など、末梢神経が障害されて脚に痺れが起こることもありますが、 この場合も、就寝中の痺れがひどく、起床後に歩けないという症状は、考えにくいといえます。 ただ、糖尿病があるかは、一度内科でチェックされるとよいと思います。

まれな病気ですが、就寝中に痺れが出現する場合は 「レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)」の可能性も考えられます。 この病気には、脳の神経伝達物質であるドーパミンが関係しているとされています。 治療法としては、ドーパミンの働きに必要な鉄分の補給や、ドーパミン作動薬の内服などがあります。 また、マッサージ、風呂・シャワー、短時間の歩行などで脚に刺激を与える、いわゆる行動療法や、 カフェイン、酒、辛い物など刺激物の飲食を控えめにすることも効果的だといわれています。 この病気については、神経内科を受診して相談されるとよいと思います。

(この答えは、2017年7月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)