【質問】身長が縮むのを防ぐ方法はありますか?
身長が6cmも縮みました。もともと身長が低いので、これ以上低くなりたくありません。何か予防する方法はありますか?
●60歳代・女性
【答】
年を取って身長が縮む原因の多くは背骨にあります。いくつかありますので、ご説明しましょう。
- ▼背骨の圧迫骨折
- 加齢や閉経によって骨粗鬆症が進むと、背骨が潰れるように骨折することがあります。 これが圧迫骨折です。 背骨の高さが減るため、身長の低下に直結します。骨粗鬆症に伴う圧迫骨折は、痛みがないままにじわじわと起こることがあるので、注意が必要です。
- ▼椎間板の減り
- 一つ一つの背骨をつなぐとともに、クッションの役割をしている椎間板には、日々大きな負担がかかり続けるので、年齢とともに少しずつ高さが減ってきます。 その分、身長が縮むことになります。
- ▼背骨の曲がり
- 背骨は、横から見るとS字状に緩やかなカーブを描いています。若いときから背中が丸い場合や、背中の筋肉が弱くなったなどの理由で、 背骨が曲がったまま固まってしまうことがあります。
身長が6cmも縮んでいるとなると、これらの原因が混合した状態だと思われます。 今後、症状が進まないようにするためには、次のことが大切です。 まず、自分の骨や関節の状態を把握するために、整形外科にかかってエックス線検査や骨密度検査を受けてください。 もし圧迫骨折がある、または骨密度が低い状態でしたら骨粗鬆症の薬が処方されます。 骨粗鬆症の薬は、圧迫骨折が新たに起きる確率を減らすことがわかっていますので、しっかり飲みましょう。 また、骨を強く保つために、たんぱく質やカルシウム、 ビタミンDなどの栄養を十分摂ることや、 よく体を動かすことが大切です。 背中の曲がりの進行を防ぐためには、よい姿勢を保つ努力が必要です。まず、常に胸を張るように心がけましょう。 さらに、胸を張る運動を行うことも大切です。例を挙げると、椅子に腰かけて両手の指を組んで頭の上にのせ、この状態でぐっと胸を張って5秒間保ちます。 これを10回行うのを1セットとして、1日3セットを目標に行いましょう。 この運動には弱った背中の筋肉を鍛える効果もあります。しっかり続けてください。
(この答えは、2019年12月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)