【質問】歯間ブラシの正しい使い方は?

40歳代の頃から「歯周病」です。 歯ブラシ歯間ブラシを使い、 自分ではきちんと歯垢を取っているつもりですが、時々歯茎から血や膿が出て痛みます。 歯科医は「丁寧に歯間ブラシを使い続けると、歯茎が引き締まってくる」といいますが、本当ですか。
●60歳代・女性


【答】

「歯周病」とは、 歯と歯茎(歯肉)の間に付着するプラーク(歯垢)中の細菌が原因で歯茎に炎症が起こり、次第に歯を支える組織が痛んでいく病気です。 炎症はじわじわと進むため、あまり痛みを感じません。そのため、歯周病にかかっていることに気付きにくく、結果的に歯を何本も失ってしまう場合もあります。 また、歯周病は心血管疾患や糖尿病など、全身の病気にも影響を及ぼすことがあるので、注意が必要です。 歯周病は口の中の清掃を怠ることや、加齢による歯周組織の変化により、40歳代前半から急激に増加します。 歯周病の予防・治療の基本は、口腔内を清潔にすることです。 加えて「喫煙者は禁煙する」「歯や歯茎によい食生活を送る」 「ストレスを解消する」などで歯周病にかかりにくくなります。 また、定期的に歯や歯茎の検診を受け、歯の喪失を徹底的に防ぎましょう。

口腔内の清潔には歯ブラシによるブラッシングと、 歯間ブラシやデンタルフロスによる歯と歯の間の清掃が必要です。 歯と歯の隙間が大きい場所には、歯ブラシを使います。歯ブラシにはさまざまな太さや形がありますが、歯間よりも大きなサイズを使用すると、 歯や歯茎を傷めてしまうことがあるため、歯と歯茎の間の隙間に合うものを選びましょう。 歯間ブラシを使うときは、ブラシの毛の部分を歯と歯茎の間に水平に入れて、ゆっくりと3~5往復します。 それ以上、往復しても歯や歯茎を傷めるだけで、清掃効果は変わりません。 歯間ブラシは1日に1~2回、歯ブラシでブラッシングをした後に使用します。 歯と歯の間に炎症が起きていると、歯間ブラシを使ったときに血や膿が出ますが、 強い痛みがなければ、2~3日間ほど歯間ブラシの使用を続けることで徐々に改善していきます。 しかし、歯石が残っている場合や、歯周ポケットが深い場合は、血や膿がなかなか止まらないこともあります。 歯間ブラシを1週間以上使い続けても出血や排膿が改善しなければ、歯科医院を受診して歯周病検査を受けてください。

(この答えは、2019年7月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)