PSA(前立腺特異抗原)

『PSA(前立腺特異抗原)』は、前立腺の組織だけが作り出すたんぱく質です。 通常、前立腺癌などがあると血液中のPSAの量が増えるので、前立腺癌のの可能性を調べる 腫瘍マーカーとして利用されています。 前立腺癌も前立腺肥大症も、ほぼ同じ年代に発症しやすい病気です。 尿のトラブルが、前立腺癌によって起こっている可能性もあります。 そのため、前立腺肥大症の検査では、PSAの値を調べて尿のトラブルの原因を鑑別する必要があります。


■前立腺癌の早期発見のために

前立腺癌は早期には症状がほとんど現れない

前立腺肥大症と同じく、前立腺に起こる病気に「前立腺癌」があります。 前立腺肥大症の場合、肥大した組織によって尿道が圧迫されるために、早期から排尿障害が起こります。 しかし、前立腺癌の場合は、尿道から離れた場所にがんが発生することが多いため、初期にはほとんど 症状が現れません。「尿が出にくい」といった尿のトラブルが現れるのは、がんがかなり進行して、 尿道を圧迫するほど大きくなってからです。 ですから、自覚症状に頼っていては、前立腺癌の早期発見はできません。 早期発見のためには「PSA」を調べる血液検査を受ける必要があります。 PSAとは、体内で前立腺の細胞だけが作り出し、血液中などに放出する物質です。 健康な状態でも血液中に存在しますが、前立腺癌になると、がん細胞が大量のPSAを 作るようになります。そのため、採血してこの数値を調べることで、前立腺癌がある可能性が わかるのです。

●50歳を過ぎたら定期的にPSAを測定しよう

前立腺癌が多く見られるのは、60歳以上の男性ですが、早期発見のためには50歳くらいから PSAを調べる検査を定期的に受けましょう。検査は泌尿器科のほか、人間ドック、 地域によっては基本健康診査などでも受けることができます。
ただし、PSA値が高いからといって、必ずしも前立腺癌であるとはいえません。 前立腺肥大症など、他の前立腺の病気などでも高くなることがあるからです。 PSA値が高い場合は、専門医を受診して精密検査を受け、前立腺癌があるかどうかを 確認することが大切です。