突然死を防げ!
突然意識を失って倒れた人がいた時、AEDを使用することで、命を救える可能性が高まります。 落ち着いて速やかに対応するためにも、あらかじめ手順を知っておくことが大切です。
■死に至る心室細動にはすぐにAEDを使う
心室細動は、心臓から血液を送り出せなくなる最も危険な不整脈です。20~30秒で意識を失い、そのまま数十分以上続くと死に至ります。 心室細動が起きた時に命を守る手段として、AED(自動体外式除細動器)があります。 AEDは、心室細動を起こした心臓に電気ショックを与え、正常な拍動に回復させるものです。 倒れている人に遭遇したら、迷わず速やかにAEDを使いましょう。心室細動でなければ、作動しない仕組みになっています。
●心肺蘇生法
- ①意識を確認する
- 倒れた人の周囲の安全確認をしてから近づきます。「大丈夫ですか?」「わかりますか?」などと声をかけたり、肩を軽く叩いたりして、反応を見ます。
- ②反応がない場合や迷った場合は、救急車とAEDを手配する
- 近くにいる人に声をかけ、救急車とAEDの手配をお願いします。周囲に誰もいない場合は、まず救急車を呼び、次にAEDを手配します。 近くにAEDが見当たらなければ、すぐに呼吸の確認と胸骨圧迫を始めます。
- ③呼吸の有無を確認する
- 胸とお腹の動きを見て、判断します。通常の呼吸でない場合や、しゃくりあげるような不規則な呼吸はすべて「呼吸なし」と判断し、胸骨圧迫を行います。 この判断は10秒以内に行い、迷った場合も胸骨圧迫を行います。
- ④胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行う
- ⑤倒れた人のすぐそばにAEDを置いて、電源を入れる
- AEDが到着したら、すぐにふたを開けて、電源を入れます。その間も胸骨圧迫は続けます。 人手が足りなければ、AEDの準備を優先させ、電源を入れた後は音声ガイドの指示に従って、電極パッドを貼ります。
- ⑥AEDから「電気ショックが必要です」と音声が流れたら、電気ショックのボタンを押す
- AEDが自動で心電図を取り始めます。電気ショックが必要と判断された場合は、ランプがつき、その旨が音声で流れます。
- ⑦電極パッドを着けたまま、胸骨圧迫を続ける
- 電気ショックは一瞬で完了するので、そのあとはまたすぐに胸骨圧迫を再開します。 電極パッドとAEDの電源はそのままにして、適宜、音声ガイドの指示に従って、救急車を待ちます。
■心室細動を起こさないために、運動の強度などに気を付ける
心室細動は、運動中や運動のあとに多く起こります。心筋梗塞や心筋症、遺伝性不整脈のある人、胸痛のある人、失神したことがある人、 1分間の脈拍が100回以上になる心室頻拍がある人は、どの程度の運動ならしてもよいのかを医師に相談しましょう。 午前9時前後は、交感神経が優位になり始め、心室細動が起こりやすい時間帯といわれています。 朝の時間の運動は避けましょう。日常生活では、喫煙、大量の飲酒はしないようにし、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。