口内炎

口内炎」を早く治すには、原因に合った治療が大切です。 いつまでも治らない場合は、まれに「口腔癌」のこともあるので、注意が必要です。


■口内炎のタイプ

原因によって4つのタイプに分けられる

口内炎とは、頬の内側、舌、上あごなど、口の中の粘膜に起きる炎症の総称です。原因によって4つのタイプに分類されます。

▼物理的刺激による口内炎
入れ歯や矯正装置などが口の中に当たって粘膜が傷つき、細菌が感染して炎症が起きるタイプです。 食事中に間違えて頬の内側を噛んでしまったり口の中を火傷したときにできる口内炎も、このタイプです。

▼カンジダによる口内炎(口腔カンジダ症)
真菌のカンジダによる口内炎が問題になっています。カンジダは常に体の中にいる常在菌で、通常は炎症を起こしません。 しかし、免疫の働きが低下していたり、口の中が乾燥していると、炎症を起こします。

▼アレルギーによる口内炎
歯の詰め物やかぶせ物、入れ歯の金属によるアレルギー反応で起こるタイプです。

▼原因がわかっていない口内炎(アフタ性口内炎)
最も多いのが、前述の3つに当てはまらない原因不明の口内炎です。ストレスや栄養の偏りなどが原因ではないかと考えられています。

●放置しておくと悪化するものも

特に注意が必要なのは、カンジダによるものです。カンジダによる口内炎には、粘膜が赤くなるもの、白くなるもの、両方が混在しているものなどがあります。 白くなるものは比較的症状が少ないのが特徴ですが、赤くなるものでは灼熱感やヒリヒリした痛みが現れます。 特に赤くなるものは、舌に炎症が起き、その炎症が粘膜の深い部分にまで達すると、治療をしても痛みが残ったり、味覚障害が生じてしまうことがあります。 炎症が広範囲に及ぶ場合や、2週間以上続く場合には、歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科のいずれかを受診してください。


■口内炎の治療

まずは原因を取り除く。痛みや炎症を抑える治療も。

治療では、原因となるものを除去します。物理的刺激による口内炎の場合は、入れ歯や矯正装置の調整を行って口の中に当たらないようにします。 カンジダによる口内炎には、抗真菌薬が使われます。対症療法を行う場合、カンジダによる口内炎ではステロイドが含まれる薬は症状が悪化する危険性があるため、 使えません。薬を選ぶ際には注意しましょう。 アレルギーによる口内炎では、入れ歯や歯のかぶせ物による金属アレルギーが多いので、アレルギーの起きにくい素材のものに交換します。 原因がわからない口内炎の場合は、患部を保護したり、痛みや炎症を和らげたりする薬を処方する対症療法がおこなわれます。 対症療法に用いる薬には、貼付剤、軟膏、噴霧剤、トローチなどがあります。 貼付剤、軟膏にはステロイドが含まれているものと、含まれていないものがあり、噴霧剤はすべてステロイドが含まれています。 これらの薬は、物理的刺激による口内炎やアレルギーによる口内炎に対しても、症状の緩和のために使われることがあります。

●原因がわかれば予防もできる

よく口内炎が起こる場合は、原因となっているものを除去して予防します。 また、入れ歯はカンジダが繁殖しやすい場所です。入れ歯を使っている人は、カンジダが繁殖しないように、常に清潔にしておきましょう。 一見、汚れていないように見える入れ歯でも、実は菌が繁殖していることがあります。


■口腔癌

初期は口内炎と似ていて見分けにくい

口内炎は、通常2週間程度で自然に治ります。なかなか治らない場合には口腔癌を疑ってみることが必要です。 口腔癌は、舌や歯茎、上あごなど口の中にできるがんの総称です。 がん全体の1%程度と推測されており、決して多くはありませんが、初期の口腔癌は口内炎と見た目が似ているため、見逃さないように注意しましょう。 口腔癌の場合は、自然に治ることはない、赤い部分と白い部分が混在している、硬く、でこぼこしている、などが特徴です。 ずっと治らない口内炎がある場合は、これらの特徴と照らし合わせてみてください。

また、口の中の粘膜が厚く白く変化する白板症は、口腔癌の前段階といわる、がんが発生しやすい組織です。 白斑症のすべてががん化するわけではありませんが、自分で見て、粘膜が厚く白くなっている場合は必ず受診してください。 がんが発生する前に切除するか、経過観察をするか、状態によって判断されます。

舌にできたがん(舌がん)は、その広がりにより切除範囲が決まります。 切除範囲が大きい場合、舌を再建しても味覚障害が残ったり、術前のように話すことが難しくなる場合があります。 また、がんが進行するとあごの骨への浸潤やリンパ節転移が起こることもあります。 1〜2cm程度の大きさであれば完治しやすいので、早期発見・治療が大切です。
口内炎が長引く場合や、口腔癌を疑う症状がある場合には、歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科を受診してください。