超睡眠法第2章『こんなときに使えるピークシフト』
③時差ボケを克服するピークシフト

欧州行きでは超朝寝坊のリズムを作ることが重要です。

■時差ボケを克服するピークシフト

◆3日以内の滞在なら日本時間のまま過ごす

海外出張が多いビジネスマンにとって、大敵となるのが時差ボケです。一般的に体内時計は1時間ずれると修正するのに1日かかる とされていますが、時差が8時間あると単純計算でも修正に8日も費やさなければなりません。 また、アメリカなど東側への飛行と、ヨーロッパなど西側への飛行でも、それぞれ異なってきます。

例1.成田11時30分発~ロンドン15時50分着(フライト12時間20分)
西側へのフライトでは、超朝寝坊のリズムを作ることが大事です。現地に到着したら、まず光を意識的に見ます。 そうすることでリズムが遅れてきます。そして夕方から夜の早い時間には、パソコン用メガネやサングラスなどをかけ、 なるべく光を見ないようにします。これによりリズムの前進を防ぎ、超朝寝坊のリズムを作ることができます。 逆にロンドンから日本へ帰国するときは、超早起きのリズムを作っていきましょう。
ちなみに3日以内の滞在であれば、日本時間のまま過ごした方が帰国後のダメージを軽減できます。 しかし滞在が4日以上の場合は、現地時間で過ごすことを意識しましょう。 年齢を重ねるほど時差への順応はきつくなってくるので、年配の方はいっそう時差への対応に気を遣いましょう。


◆西側飛行よりも東側飛行の方が大変

西側飛行よりも大変なのが、東側へのフライトです。海外出張に慣れている方でも、回復には時間がかかります。

例2.成田11時10分発~ニューヨーク11時5分(同日)着(フライト12時間55分)
出発前の朝食はいつもより早く、多めに摂ります。そして成田空港に向かうまでの電車の中で仮眠を取ります。 離陸後、最初の機内食はなるべく少なめに摂ります。そしてフライトから約2時間後のタイミングで、お尻を締める運動を行い、 体温を上げておきましょう。夕方より前のタイミングで体温を上げることで、眠くなる時間を早めます。 離陸3時間後から眠り始め、そこから5時間ほど経ったら(離陸から8時間後)機内食を食べましょう。 これがニューヨーク時間では朝食の時間帯に当たります。現地に着いた後の対策は、後で紹介します。

【飛行機の中から現地時間にシフトする】

時差ボケのダメージを軽減するには、飛行機に乗っている段階から現地時間に合わせていく必要があります。 機内食を摂る時間、寝る時間、お尻をきゅっと締める時間も、現地時間のリズムに合わせて行うことが大切です。


■時差があっても生体リズムを崩さない

◆光と体温で生体リズムを調節する

例2の現地到着後の対策:成田11時10分発~ニューヨーク11時5分(同日)着(フライト12時間55分)
成田を発ち、ニューヨークに着いたら現地時間で14時頃までサングラス、もしくはパソコン用メガネをかけて、 光を見ないようにします。そして14時を過ぎたら積極的に日に当たります。 また現地に着くと「とりあえず食事をしよう」と思いがちですが、最初の食事はぐっとこらえて控えめにします。 これは前の食事との間隔があいた後の食事量が、生体リズムに影響を及ぼすからです。 長期で滞在するときは、到着して4日間は午前中の光を避け、午後の半ばから夜の早い時間にかけて光を見ます。 4日経つとリズムは前進するので、今度は午前中から光を見るようにします。 これにより、リズムの後退を防ぐことができます。

◆生活が不規則でも午前4時台は寝ておく

例2の帰国時の対策:ニューヨーク11時発~成田13時55分(翌日)着(フライト13時55分)
帰国の便では、まず飛行機に乗ったら睡眠を取ります。最初の機内食はできれば取って置き、その後3時間ほど眠ったら、 はりきって機内食を食べますが、その次の機内食はほどほどにしておきましょう。 そして離陸から約8時間後のタイミングで30分ほど仮眠し、起きたらお尻を締めて体温を上げる運動をします。 到着後、日本時間19時以降はなるべく光が当たらない環境で過ごし、自然な眠気を誘いこみます。 夜間にある程度眠れれば、時差ボケのダメージも少なくなります。 海外出張が多い方、外資系企業の方は日本に居ながら海外の時間に合わせて仕事をすることが多いのですが、 昼は日本時間に合わせ、夜は欧米時間に合わせるので生活は不規則になり、睡眠時間も短くなりがちです。 日本に居ながら海外時間に合わせて仕事をすることは大変です。こうなると睡眠のリズムも崩れてしまいがちですが、 これを防ぐには体温が下がる午前4時台に少しでも寝ておくなど、生体リズムをずらさない心がけが重要です。 また、不規則な生活でも、少なくとも週3日は朝4時から5時までは眠りましょう。 これによって内的脱同調(生体リズム相互間で起こるズレ)の発生をある程度防げます。

【飛行機内ではお尻を締めて体温を上げる】

体温を上げる際、ふだんなら軽いストレッチなどをしますが、狭い飛行機の中でやるのはさすがに厳しいものがあります。 そこでお尻をキュッと締めると、座っていながら体温を上げることができます。 睡眠リズムの調整には大変効果的です。