超睡眠法第2章『こんなときに使えるピークシフト』
⑤スポーツで役立つピークシフト
スポーツで役立つピークシフトを利用することで、テクニックが向上します。
■スポーツで役立つピークシフト
◆睡眠が足りないとスイングが安定しなくなる
仕事と同じように、スポーツをするときにも睡眠はとても大事です。重要な試合の前夜だと「昨夜は興奮して眠れなかった」 と話すアスリートもいますが、私たち一般人でも同じように興奮して眠れず、翌日が台無しになってしまうことがあります。 そのため前日は特に睡眠のリズムを意識して、しっかりと睡眠を取りましょう。 睡眠と深い関係にあるとされているのがゴルフです。地球の重力に負けないように姿勢を保つための筋肉を「抗重力筋」 といいますが、ゴルフではこの筋肉が鍛えられているほど、安定したスウィングができます。 この抗重力筋は、ふだん神経伝達物質のセロトニンで制御されています。ところが睡眠不足だと夜のメラトニン分泌が減り、 それに伴い昼間のセロトニン生成量も減少します。それにより体が安定しなくなり、プレーに響いてしまうのです。
◆睡眠中に脳の中で反復練習が行われる?
ゴルフは朝が早いので、当日に備えて前の晩は眠っておきたいところです。しかし、すぐに寝付けない方もいるでしょう。 なかなか眠れないのは、深部体温が下がっていない時間に寝床に入ったからです。 普段通りのリズムのまま、就寝だけは止めても、リズムは急には早まりません。 そこで、前日の朝に早起きをしてできるだけ早く光を見てみましょう。リズム全体を前倒しするイメージで、朝を早めると、 眠くなる時間も早めることができます。また、就寝前に保冷剤などで耳から上の頭を冷やして脳の温度を下げ、 眠りを促すのも良い方法です。寝ている間は、新しく覚えたことを脳内に記憶として定着させますが、 これはスポーツの世界においても同じことです。例えば、起きている間に野球の素振りを何百回もしたら、その晩の睡眠中に、 脳の中でその動きが何回も繰り返されているのです。スポーツのフォームなどの動作の記憶は「手続き記憶」と呼ばれます。 睡眠中に脳内で何度も反復された動作は記憶として定着し、翌朝にはより精度の高い動作が実現します。 睡眠中に脳内で動作が行われているときは、手足を動かす神経とは遮断されているので動くことはありません。 頭の中で勝手に練習しているのですから、これを使わない手はありません。 もしスポーツを上達させたいなら、反復練習の後に深く眠り、起きたら再び反復練習をしてみましょう。
【プレー前日は深い睡眠を作る】
本番当日に結果を出したいなら、前日の過ごし方が重要になります。夜の眠りが浅いと力を出し切れなくなるので、 「 帰りの電車の中で寝ない」「夕方に運動して体温を上げる」など、眠りが深くなる対策を施しておきましょう。