超睡眠法第4章「やる気が起きない」警告サインを知る
⑤「あれ、何しに来たんだっけ?」と言う
物忘れは脳の覚醒レベル低下のサイン!
■「あれ、何しに来たんだっけ?」と言う
◆ついうっかりは「転導注意」の状態
ものを取りに行ったはずなのに、目的の部屋に入ったら「あれ、何をしに来たんだっけ?」と忘れてしまった経験は、 誰しも1つや2つはあるはずです。特に仕事が忙しくなると多いですよね。 この現象はよく「物忘れ」として紹介されていますが、実際は少し異なります。 これは物を忘れているのではなく、脳の覚醒レベルが低下し、注意力が散漫になっているだけなのです。 事実少し時間が経てば何をしに来たのか思い出すことができます。
忙しいとき、脳はいくつもの対象に注意を向けつつ、必要に応じて焦点を当てていく「転導注意」の状態になります。
別のことに注意を奪われやすいので、”ついうっかり”をしてしまうのです。
人間の注意の機能は、脳の集中を司る「ノルアドレナリン」という物質とも関係があります。
脳幹にある青斑核という場所から分泌され、量が少ないと覚醒レベルが低くなり、ボーッとしてしまいます。
逆にノルアドレナリンの量が多いと興奮しすぎの状態になり、あちこち気になって注意力が散漫な状態になります。
分泌量をグラフにすると逆U字のかたちになるので「逆U字曲線」とも呼ばれています。
序章でも紹介しましたが、脳は経験済みのことが50%、未知のことが50%の状態が最もやる気が出るという法則があります。
新しい取引先の人と仕事をするときはふだんのスタイルを大切に、既存の取引先の人と仕事をするときはさらに質の高い仕事を
するよう心がければ、注意力が散漫にならず、ハイパフォーマンスな仕事ができるはずです。
◆脳に入る情報を減らせば物忘れも減っていく
物忘れを少なくする方法として、脳に入る情報量を少なくすることも挙げられます。 気分転換のためにショッピングに出かけたり、散歩をするのはよいことですが、広告がいっぱい貼られた場所や人込みなど、 情報が溢れている場所に行くと、脳があまり必要のない小さな情報までキャッチしてしまい、何でもない場面で物忘れが出てしまいます。 前にも少し触れましたが、気分転換や休憩では、なるべく脳に余計な情報が入らないよう工夫が必要です。 そうすることが、脳を覚醒させないことにつながるのです。
【脳の覚醒レベルは高すぎず低すぎず】
ノルアドレナリンの量とパフォーマンスの相関は、逆U字型の関係。 脳の覚醒レベルは高すぎても低すぎても、ベストのパフォーマンスは発揮できません。 このとき「注意」の切り替えや持続ができなくなるので要注意。