高血圧対策に『ワカメの味噌汁』

高血圧を予防・改善するためには、加齢とともに落ちていく副交感神経のレベルを上げることが肝心です。 ポイントとなるのは、腸内環境です。 最近では、高血圧の人が降圧剤を飲んでも、腸内環境が悪いとあまり効果がないこともわかってきました。 腸内環境を整えるにあたって特に心掛けたいのは、食物繊維を積極的に摂ることです。 食物繊維を摂ると、腸の蠕動運動が促され、善玉菌も増えるので、腸内環境をスムーズに改善することができます。

海藻類は、食物繊維を豊富に含むのでお勧めです。 また、発酵食品も腸内環境をよくする働きがあります。 ですから、発酵食品である味噌と食物繊維の多いワカメを組み合わせた『ワカメの味噌汁』は 副交感神経の働きを高め、腸を整え高血圧を改善するベストの組み合わせといえるでしょう。


■自律神経

副交感神経は加齢でレベルが落ちていく

自律神経は、私たちの生命活動の根幹を支える、非常に重要な役割を担っています。 例えば、私たちは眠っていても無意識のうちに呼吸を続けています。 これは、自律神経の働きのおかげなのです。 この自律神経が、私たちの健康に大きな影響を及ぼしていることが、近年、明らかになってきました。 国内の患者数が4000万人ともいわれる高血圧についても、やはり自律神経が深くかかわっています。 つまり、自律神経の働きをよくすることができれば、高血圧を予防したり、改善したりすることも可能なのです。
具体的にご説明しましょう。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに分けられます。 この2つの神経は、車の機能に例えるなら、アクセルとブレーキのようなものです。 運動するときや頭を使うときなど、心身が「興奮」するときに優位に働く交感神経はアクセル、 くつろいでいるときや眠るときなど、心身が「リラックス」するときに優位に働く副交感神経はブレーキです。 交感神経と副交感神経のバランスは、1日の中でも変動し、朝から日中にかけては交感神経が優位に、 夕方から夜にかけては副交感神経が優位に働くというリズムがあります。 このように相反する2つの神経が、交互に体を支配することで、私たちの身体機能は保たれているわけです。 交感神経と副交感神経は両方が同じくらい高いレベルにあるのが理想です。 そして、時間帯によってやや片方が優位になり、その入れ替わりも穏やかという状態がベストです。

ところが、時間に追われ、ストレスにさらされている私たち現代人は、リラックスモードの副交感神経が上がりにくくなっています。 また、男性は30代、女性は40代に入ったところで、副交感神経のレベルが落ちることがわかっています。 一方、交感神経は加齢でレベルがあまり変化しません。 つまり、交感神経が過剰に優位な状態に傾きやすく、自律神経の働きが過剰に優位になれば、血管の収縮が強まります。 その結果、体に十分な量の血液を回すために、血圧が高くなるのです。 しかも、血管の収縮が強まり、血管が細くなると、細くなった血管を勢いよく血液が流れるため、血管の内壁が傷つけられます。 こうして、血管がボロボロになると血栓ができやすくなり、ますます血圧が高くなってしまいます。