高血圧対策の『食事』①食塩と血圧の関係

高血圧対策食事でまず注意したいのは、食塩の摂取量です。 1日6g未満を目標に、「減塩」に取り組みましょう。 そのほかにも、5つの栄養素「タンパク質、カルシウム、食物繊維、カリウム、マグネシウム」を積極的に摂れば、 血圧を下げる効果をさらに高めることができます。
また、野菜を多く摂り、コレステロールや飽和脂肪酸を多く含む食品を控えることも大切です。 逆に減らしたいのは脂肪。乳製品や肉類は、塩分や脂肪分の少ないものを選ぶようにしましょう。


■①食塩と血圧の関係

過剰な食塩摂取が血圧を上げる原因になる

血圧を上げる大きな要因の一つに、食塩の摂りすぎがあげられます。
通常は、食塩(塩化ナトリウム)を多く摂っても、腎臓で濾過され、尿として排出されます。 しかし、食塩を摂りすぎると、人間の体は、血圧を上げて体内のナトリウムを排泄しようとします。 このような調節が十分に働いている状態で食塩摂取量を減らすと、血圧は下がります。 大量の発汗などで体内のナトリウムが極端に減っている場合を除き、健康の維持には、本来、1日3g程度の 食塩摂取で十分とされています。したがって、食生活の改善で最も重要となるのが、食塩の摂取量を抑えることです。 日本人は食塩の摂取量が多く、平均で1日11g近くも摂っています。 これは、和食では味噌や醤油、漬物など、食塩を多く使った調味料がよく使われるためだと考えられます。

●食塩感受性が高い人は特に注意

塩分の摂取によってどの程度血圧が上がるかには、個人差があります。 塩分の摂取量が増えても血圧があまりあがらない人もいる一方で、血圧が大幅に上がりやすい人もいるのです。 このような性質を「食塩感受性」といいます。 食塩感受性には、塩分と水分を排泄する腎臓の働きが関係しています。 腎臓の働きが低く、余分な塩分と水分を排泄しにくい状態だと、血圧が上がるのです。 そのため、食塩感受性が高い人の高血圧の改善には、減塩が特に有効です。 また、減塩は腎臓を守ることにもなります。 塩分の摂取量に関係なく血圧が高い人にが血圧を下げるには、減塩以外の対策が必要です。


■食塩摂取量の目安

高血圧がある人は1日6g未満を目標に減塩に努める

食塩摂取量の目安は、高血圧の治療ラインで定められた「1日6g未満」を目標にしています。 一般に、お年寄りや肥満のある人ほど、減塩による降圧効果が高いと言われています。 なかには、もともとの体質で、減塩をしても血圧が下がりにくい人もいるのですが、 そういう人でも、食塩摂取量が多いと、降圧薬が効きにくくなる場合があります。 ですから、体質にかかわらず、血圧が高い人は減塩に努めたほうがよいでしょう。

●食塩を摂り過ぎていないかチェック

食塩を多く使った、濃い味付けのものをよく食べる人は、特に減塩に励むべきですが、味覚には個人差があるので、 濃い味付けに慣れてしまっていても、自分ではなかなか気づきにくいものです。 1日の尿をためて分析し、食塩の摂取量を推定する検査もあるのですが、日常の食習慣からでも、 食塩の摂り過ぎはチェックできます。下のチェック表で、当てはまるものが1つでもあるようなら、 食塩を摂りすぎている可能性があります。

濃い味付けのものや塩辛いものを好んで食べる。
味噌汁をお代わりする。
漬物を好んで食べる。
醤油やソースを料理に直接かける。

●できることから減塩を始める

食塩を摂り過ぎている人は、できることから減塩を始めましょう。 例えば、「味噌汁のお代わりをやめる」「漬物を食べる回数を減らす」「麺類の汁は飲まずに残す」などのように、 少しずつ食塩の摂取量を減らしていきましょう。 しかし、塩辛いものが好きで、食塩を1日10g以上摂っている人が、いきなり半分近くの6gまで減らすのは、 なかなか難しいものです。まずは、8~10g程度まで減塩し、徐々に6gまで近づけていくように努力しましょう。

和食は洋食に比べ、脂質が少ないという良い面もあります。和食の良さを活かしつつ、上手に減塩していきましょう。 胡椒などの香辛料やレモン汁などを上手に利用して、調味料としての食塩を減らす工夫をしてください。 一度薄味に慣れてしまうと、以前と同じ味でも塩辛く感じるようになるものです。 高血圧の人だけでなく、家族全員で減塩に取り組み、薄味の食事に慣れていくことが大切です。

【天然出しパック】

塩分の摂り過ぎが指摘されている現代ですが、家庭料理をするときにどれくらい気にしていますか?
日本人の塩分摂取量の目標は、前記のように「1日6g未満」と定められています。 しかし、厚生労働省の調査によると、日本人の一日当たりの平均塩分摂取量は、男性で11.1g、女性で9.4gと目標を大きくオーバーしています。 料理をするときに塩分を減らすと、味が薄くなってしまうと思っている人がいますが、きちんと出しをとれば、しっかりとした味付けにすることができます。 出しをとるといっても、市販の顆粒出しにはもともと高い塩分が含まれているので、減塩にはなりません。 味噌汁を作るときなどに手軽に出しが取れるので、活用している人も多いと思いますが、 出しにも味噌にも塩分が含まれているとなれば、すぐに一日分の塩分摂取量を超えてしまいます。 そこで、活用したいのが「天然の出しパック」です。 家庭でよく使われている顆粒の出しには、食品添加物が含まれていたり、味付けがされているものが多いですが、 天然の出しパックは昆布や鰹節のみで作られています。 何も添加されていないので、市販の顆粒出しよりも塩分が低いことは言うまでもありません。 少し値段は高いですが、自然の旨みをそのまま味わうことができます。 パックになっているので、手軽に使うことができ、「出しがら」もチャーハンや佃煮にすることで無駄がありません。 天然の出しは、見た目の色が薄いので味も薄いと思われがちですが、実際は市販の顆粒出しよりもしっかりとした味が出ます。 この出しを料理に使うことで、下味が付き、調味料の量を減らすことができるのです。 味噌、醤油、ソースなど、どんな調味料にも必ず塩分は含まれています。 塩分が入った出しを利用していれば、いくら調味料の量を減らしても、効率の悪いままです。 毎日1杯の味噌汁を飲むことを考えれば、味噌汁に使う出しだけでも変えれば、手軽に減塩ができます。 購入の際には、原材料表示を確認して、食塩や余計なものが添加されていないものを選びましょう。


■③脂質の弊害

血圧と直接関係するわけではありませんが、脂質の摂りすぎにも注意してください。 特に、肥満や高脂血症のある人は、脂質の中でも「コレステロール」と「飽和脂肪酸」を適切な量に抑える必要があります。 この2つは、レバーなどの内臓類や肉類などに多く含まれています。 コレステロールや飽和脂肪酸の摂りすぎは、高脂血症を招き、動脈硬化を進めてしまいます。 高血圧にこれらが加わると、心筋梗塞などを発症する確率が、それだけ高まります。 また、脂質はエネルギー量が多く、摂りすぎると肥満の原因にもなるので、減量や体重維持のためにも、控えましょう。

ちなみに、魚や植物油には「不飽和脂肪酸」が含まれており、これらは動脈硬化の予防に効果があるとされています。 エネルギー量は飽和脂肪酸と同等なので、摂りすぎはいけませんが、脂質を摂るときは、 できるだけ魚などから摂るとよいでしょう。

◆脂質を多く含む食品

卵黄、レバー、イクラ、シシャモ、タラコ、イカ、スルメ、ウナギなど。


■④関連項目

『血圧を下げる食事の工夫』
高血圧がある人の食事のポイントは、食塩と動物性脂肪の摂取を抑えることです。 ここでは、食塩や動物性脂肪を減らすための調理のポイントや、外食時の工夫などを紹介します。

『血圧管理の食材リスト』
血圧を下げるための食材や調味料をご紹介します。 減塩生活は美味しく楽しく食べられることが大前提です。

『減塩』
・減塩したつもりはNG!
・減塩は血圧を確実に下げる!
・お勧めは一品豪華主義

『バナナ酢』
薬を飲んでも190ミリあった最大血圧がバナナ酢で130ミリ! 医師も断薬に賛成。

『お湯飲み』
お湯飲みで着実に血圧降下! 200/115ミリが158/85ミリになり職場復帰!

『糖質制限食』
高血圧は体重を5%減らすだけで正常化すると医師が実証し、糖質制限食なら簡単で糖尿病も急改善。 高血圧の解消には体重を5%減らすだけでも有効で、過食気味でメタボの人ほどすぐ取り組め!!

『高血圧対策に「味噌(みそ)」』
味噌(みそ)は血圧を下げることが調査で判明した、脳卒中や心筋梗塞の予防につながる優良食品です。 みそ汁などで毎日味噌(みそ)を摂ることで、高血圧を防ぎ、ひいては脳卒中や心筋梗塞が起こるのを予防できる可能性があります。 塩分の悪影響を心配することなく、進んで摂取することをお勧めします。 ただし、何でも摂りすぎはよくありません。みそ汁ならば、1日に、具だくさんのみそ汁を2杯程度が適当でしょう。

『高血圧対策に「カボチャタマネギ」』
高血圧は身近な野菜で克服でき、No.1は冬至に食べる「カボチャ」で、多食する山梨県は高血圧患者が少ない。

『チョコレート』
チョコレートに多く含まれるエピカテキンが血管をしなやかにし、血圧上昇を抑えてくれます。