高血圧対策に『糖質制限食』①

高血圧は体重を5%減らすだけで正常化すると医師が実証し、糖質制限食なら簡単で糖尿病も急改善。 高血圧の解消には体重を5%減らすだけでも有効で、過食気味でメタボの人ほどすぐ取り組め!!


■内臓脂肪は高血圧を招く重大原因

高血圧の重大原因の一つが、内臓脂肪の増加です。 内臓脂肪とは、内臓回り(肝臓や小腸を囲んでいる腸間膜)に蓄積された脂肪のこと。 過食や運動不足がたたって、お腹がポッコリと張り出している人は、まず、間違いなく、内臓脂肪が多いと言えるでしょう。 そこで、内臓脂肪が高血圧を招く仕組みを詳しく説明しましょう。
まず、内臓脂肪が過剰に増えると、脂肪細胞から血管を収縮させる「アンジオテンシノーゲン」という悪玉物質が分泌されます。 逆に、アディポネクチンという血管を広げる善玉物質が減ってしまいます。 その結果、血管が収縮して血圧が上昇しやすくなるのです。 さらに、内臓脂肪が過剰に増えて、アディポネクチンが減ると、インスリンの効きまで悪くなってしまいます。 インスリン抵抗性が生じると、血液中にインスリンがさらに多量に分泌され、腎臓でのナトリウム(塩分)の排泄が低下します。 すると、ナトリウムの濃度を下げようとして血液中の水分量が増え、その結果、血管内の圧力が高まってしまい、血圧が上昇するのです。


■低血糖に陥って血圧が上昇する

高血圧を招く原因として特に注目されるのが「低血糖」という病気です。 糖質を大量に摂取していると、食後に急激な高血糖状態となるため、膵臓からインスリンが必要以上に分泌されます。 その結果、今度は血糖値が急激に下がり、低血糖状態になってしまうのです。 血糖値が低下しすぎると、血糖値を上げるために、体は交感神経を刺激して、肝臓にあるグリコーゲン(貯蔵多糖類)を分解し、 交感神経からはアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。これらのホルモンによって血圧が上昇します。 また、インスリンは別名「肥満のホルモン」ともいわれ、インスリンが出るたびに肥満が加速されます。 肥満でさらにインスリン抵抗性が増して、大量のインスリンが分泌されるという悪循環となるのです。
こうしたことから、内臓脂肪の増加は高血圧の原因になると言え、過食気味でメタボリックシンドロームの人は、 早急に内臓脂肪を減らして、体重減に努める必要があると言えます。 実際に、体重減で血圧が安定する効果は、海外の試験で明らかになっています。 イタリアのバヴィア大学のロベルト・フォガリ教授は、太り気味で高血圧の男女210人に食事療法を実践してもらい、 減量による血圧の変化を調べました。 すると、6ヶ月間の食事療法で標準体重に減量できた人は、血圧が正常になったのです。 フォガリ教授は、この試験結果を踏まえ、降圧薬を服用する前に6ヶ月間の減量を試みることが必要と結論付けています。