高血圧対策に『糖質制限食』体験談
体験談①:上194ミリ、下120ミリの高血圧が糖質制限食を3ヶ月続けたら正常化し、肥満も解消した。
体験談②:仕事のストレスにより血圧が急上昇し動悸も襲ったが、2ヶ月の糖質制限食で正常化。
■体験談①
●肥満気味で突然血圧が上昇した
治りにくい高血圧が、糖質制限を行ったら速やかに改善する人が大勢います。
当院に通うAさん(52歳・女性)ものその一人です。Aさんは、以前、身長が159cmに対して体重が64kgと肥満気味でした。
元々は、他院でうつ病と高血圧の治療を受けていました。その当時は、最大血圧が165ミリ、最小血圧が98ミリもあったそうです。
そのため、抗うつ薬と三種類の降圧薬を服用していました。
Aさんの体調に異変が起こったのは、今から2年前の夏のことです。朝起きたら、急に気分が悪くてたまらなくなったのです。
自宅の血圧測定器で血圧を測ったら、最大血圧は194ミリで最小血圧は120ミリもありました。
不安を感じたAさんは、近所にある当医院に駆け込んできた、というわけです。
私はまず、Aさんの血液を調べることにしました。すると、Aさんに空腹時血糖(当院での基準値は80~109)は、
わずか59ミリと判明しました。この数値からすると低血糖症の疑いが濃厚です。
翌日、ブドウ糖負荷試験を行ったら、血糖値とインスリン値から反応性低血糖症と診断しました。
Aさんは、低血糖により、血圧が急上昇したと推定されました。そこで、薬の服用を続けながら糖質制限食を実行してもらうことにしました。
◆降圧薬を減らすことができた
Aさんは菓子が大好きなうえ、食事では主食のご飯を満腹になるまで食べていました。 まずは、菓子を一切やめてもらい、ご飯の摂取量は、一食当たり子供用の茶碗で一杯までにしてもらいました。 すると、1ヶ月後から体重と血圧が少しずつ下がってきたのです。 治療効果を上げるために、さらに食事で主食を控えてもらうことにしました。 Aさんは、まず夕食の主食を抜き、その後、昼食の主食も止めました。 おかずの肉や魚、野菜を多めに摂り、夕食の2時間後に間食で小さなチーズを1~2個だけ食べたといいます。
三か月後、Aさんの印象が変わりました。顔や体型がほっそりとして、見た目が若々しくなったのです。 話を聞くと、体重が58kgに減ったとのこと。同時に高血圧も大幅に改善。最大血圧が120ミリ、最小血圧が80ミリに落ち着き、 3種類服用していた降圧薬を1種類に減らすことができました。 このまま経過がよければ、近いうちには降圧薬の服用を完全にやめられるでしょう。 また、糖質制限食を始めてからはうつの症状がよくなった、といいます。 Aさんは、高血圧とうつの根治を目指し、今でも糖質制限食に励んでいるそうです。