高血圧対策に『カボチャタマネギ』
高血圧は身近な野菜で克服でき、No.1は冬至に食べる「カボチャ」で、 カボチャを多食する山梨県は高血圧患者が少ないという報告があります。
■最強の降圧食材がついに見つかった
今や中高年の二人に一人が陥る高血圧を改善に導き、合併症の発生を防ぐためには、食事と運動、そして薬、 この三つ巴の対策が欠かせません。中でも毎日の食事は重要で、血圧の上昇につながる塩分・カロリー・脂質の摂り過ぎを 避けることが基本となります。そのため、薄味に慣れ、食事量を減らし、高カロリー・高脂肪の動物性食品の摂取を できるだけ控える食事療法が指導されます。 その一方で、カリウムやマグネシウムなど降圧ミネラルを含む野菜と海藻、それに、良質なたんぱく質や脂質、 カルシウムを含む大豆食品や魚を積極的に摂ることが推奨されます。 しかし、このような食事療法は「言うは易し行うは難し」で、それまでの食習慣や味の好みを大きく転換し、 以後何十年も毎日続けなければなりません。実はこれが容易なことではないのです。
そうした中、私たちは長年に渡り、高い血圧を下げるのに役立つ身近な食材を調べる研究を続けてきました。 身近な降圧食材が見つかれば、高血圧の患者さんを厳格な食事療法から解放する一助になるかもしれない、と考えたからです。 そして、研究の結果、最強の降圧食材が見つかりました。それが、古来、日本人が冬至に食べる習慣を続けてきた 「カボチャ」だったのです。
■冬至のカボチャで脳卒中を防ぐ
カボチャは、南北米産のウリ科カボチャ属の緑黄色野菜で、色素成分のカロテノイドを豊富に含むことから、
抗酸化作用が強い野菜として以前から注目されていました。そのカボチャに最近、極めて優れた降圧作用が見つかったのです。
そもそもカボチャは、「冬至に食べると中風にならない」と昔から言い伝えられてきました。
中風とは今でいう脳卒中のこと。もしかしたら昔の人は、カボチャの降圧作用を経験的に知っていたのかもしれません。
また、高血圧の患者数は山間部で多いことが知られていますが、カボチャを多く使う郷土料理の「ほうとう」
が有名な山梨県は、山間部にありながら高血圧で死亡する患者さんの数が少なかったことが報告されています。
10年ほど前の統計ですが興味深い事実です。