血糖値は薬で急激には下げずに自分でゆっくり下げる①
「血糖値は薬で急激には下げずに自分でゆっくり下げる」が世界の潮流で、血糖値が低く安定し、寿命も延びる! 薬やインスリン注射を多用し血糖値を厳格に下げる治療では鬱や認知症を招き、寿命も縮むため危険!
■高い目標値の達成を求める治療が主流
糖尿病は、日本人の健康を脅かす最大の国民病といわれています。 これには大別すると1型糖尿病と2型糖尿病がありますが、日本人に圧倒的に多いのは2型糖尿病です。 2型糖尿病は、食べ過ぎや運動不足・肥満といった生活習慣で起こります。 食べ過ぎなどで体内に脂肪が蓄積すると、血糖値(血液中のブドウ糖の量)を調節するインスリンというホルモンの働きが 低下するため、膵臓が血糖値を下げようとインスリンを多く分泌します。 この状態が続けば、やがてインスリンの分泌量が減って、血糖値が上昇してしまうのです。
さて、今の日本の糖尿病治療では、いくつか重大な問題点があります。
一つ目の問題点は、日本の糖尿病治療は厳格で、糖尿病やその予備軍と診断されても治療しない人が多いことです。
糖尿病は初期にはほとんど自覚症状が現れません。また、糖尿病の治療はつらく厳しいもので、治療を始めると
普通の生活ができなくなると思って治療しない人も多いのです。
確かに、今の糖尿病治療では多くの場合、患者さんにはハードルの高い目標値が設定され、
常にそれをクリアするための厳格な血糖コントロールが求められます。
血糖コントロールは、主にヘモグロビンA1cという血液検査の数値から判断します。 ヘモグロビンA1cには、過去1~2ヶ月の血糖値の状態が反映され、以前は5.8%未満が正常値、6.1%を超えれば糖尿病と診断されました。 そして、糖尿病の三大合併症(神経障害、網膜症、腎症)予防のため、ヘモグロビンA1cが6.5%未満にコントロールされることが 目標となり、5.8%未満を目指すことになっていたのです。 つまり、医師はこうした目標値の達成を厳しく求め、患者さんも医師の指導のもと、高いハードルをクリアしようと食事療法や 運動療法に懸命に取り組みます。それでも十分でなければ、飲み薬(経口血糖降下剤)、さらにはインスリン注射による治療を 受け続けることになるのです。しかし、多くの患者さんは、食事制限や運動などの生活習慣の改善が思うようにできていないのが現実。 途中で挫折し、代わりに、薬やインスリン注射ばかりに頼ってしまう人も大勢います。
■強い薬やインスリン注射にだけ頼る治療の影響
二つ目の問題点は、厳しい目標値を達成するために、薬やインスリン注射による治療が行われていることです。 糖尿病の三大合併症は主に、高血糖によって細い血管や神経が傷めつけられて起こります。 しかし、糖尿病の悪影響は、細い血管や神経だけに及ぶわけではありません。 それよりも比較的太い血管に動脈硬化(血管の老化)が起こり、その結果、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症 (足の末梢血管に動脈硬化が起こる病気)を招くことが多いのです。 心筋梗塞や脳梗塞は、発病すると命にかかわります。なかでも命取りになりかねない怖い病気は、心筋梗塞です。 実はインスリン注射や効き目の強い飲み薬(SU剤など)を使うと、血糖値が急に下がって低血糖を起こすことが多々あります。 低血糖になると、手足の震え、動悸、ほてり、空腹感といった症状が現れますが、さらに低血糖は体に大きな負担をかけ、 特に心臓に大きな悪影響を及ぼします。その結果、心筋梗塞などの心臓病を起こして死亡することが少なくないのです。
もう一つ、心臓に大きな負担をかける原因は、精神的なストレスです。 例えば、厳格な食事療法を行う患者さんの多くは、食事制限によって常にストレスを抱えています。 しかも、食事制限で血糖値が下がらないと、それがさらに大きなストレスになります。 一方、最近、糖尿病とうつ病の問題が、各国の研究で発表されています。 なかでも注目したいのは2010年、米国のハーバード大学のパン博士らが発表した「糖尿病治療薬がうつ病発症に与える影響」 という報告です。パン博士らは50歳から75歳の女性、約6万人以上を10年間追跡調査した結果、 対象者のうち約7000人にうつ病の発症が確認されました。 そしてうつ病について、糖尿病でない人と比較して、糖尿病であるが治療を受けていない人は29%、 血糖降下剤を服用している人は24%、そしてインスリン注射をしている人は53%の うつ病を発症する危険性が高まったと報告しています。つまり、うつ病の発症には糖尿病の治療が関係しており、 特にインスリン注射が深くかかわっていることは間違いない、といえるでしょう。 その原因として考えられるのが低血糖です。低血糖になると、疲労感や気力の低下といった症状が現れます。 その状態が長く続いたり、繰り返されたり、あるいはそこに別のストレスが加わることで、うつ病を招いてしまうのです。
さらに、国内や米国の研究で、糖尿病の人はアルツハイマー病などの認知症にもなりやすいことがわかっています。 その原因は、やはりインスリン注射などによる低血糖にあるようです。