高血糖・糖尿病の予防・改善に「タマネギ氷」②
『タマネギ氷』はすりつぶしたタマネギを凍らせれば作れ、料理に使えば凝縮した特効成分が補えます。
■「タマネギ氷」
タマネギの成分が丸ごと摂れる
前ページで、糖尿病の人におススメの食品として、血糖降下作用のあるタマネギを紹介しました。
タマネギは、さまざまな料理に利用できますが、毎日食べるとなると大変です。
そこで、タマネギの有効成分を手軽に摂れる方法として最近注目されているのが『タマネギ氷』です。
タマネギ氷は、ペースト(粥)状にしたタマネギを冷凍したもので、冷凍庫に保管しておけばいつでも気軽に料理に
利用することができます。タマネギ氷の作り方は後で詳しく説明しますが、もとになるペースとは生のタマネギではなく、
加熱したタマネギで作ります。加熱することでタマネギの甘みやうまみが凝縮されて強まるのです。
幸い、タマネギの有効成分の大半は、加熱してもそのまま残ります。
血糖降下作用を発揮するイオウ化合物の「ジサルファイド」も熱に強いので加熱しても問題ありません。
さらに、タマネギの有効成分は、冷凍することでより消化吸収されやすくなります。
というのも、タマネギのペーストを凍らせると、細胞が膨張して引きちぎられるように壊れ、栄養成分が細胞の外に
引き出されるからです。細胞の外に出た栄養成分はそのまま氷の中に保存されるので、生のタマネギを調理するより
タマネギ氷にしてから調理するほうが、消化吸収のいい栄養分が、凝縮した形で補えるというわけです。
タマネギ氷は約2ヵ月間保存できるので、まとめて作り置きすることも可能です。
タマネギ5個(約1kg)をタマネギ氷にすれば、1人分なら約3週間分のタマネギ氷ができあがります。
■タマネギ氷は毎日2個摂るだけでいい
では、タマネギ氷の作り方を説明しましょう。
- タマネギの薄皮をむいてから上部を少し切り落とし、底の芯も包丁でくり抜く。
- ①のタマネギをポリ袋に入れ、耐熱皿に乗せて、電子レンジで加熱する。 加熱時間はタマネギ5個なら20分程度を目安にする。
- 加熱が終わったら、ポリ袋にたまったタマネギを汁ごとミキサーに入れて水200mlを加えて粉砕する。
- ペースト状になった③のタマネギを製氷皿に流し入れる。
- ④を冷凍庫に入れておく。
- 氷結したタマネギ氷をフリーザーバッグ(冷凍保存袋)に移して完成。
糖尿病の予防・改善のためには、1日にタマネギ50gを摂るのが望ましいと言われています。 1ブロックの容量が25~27mlの製氷皿でタマネギ氷を作れば、凍らせてブロック状になった時、 1個当たりの重量がほぼ25gになります。つまり1個25gのタマネギ氷を1日2個摂ればいいのです。 タマネギ氷を冷凍庫で保存する際は、風味を長持ちさせるためにも、 密封できるファスナー付きのフリーザーバッグを使ってください。
■解凍しなくてもそのまま調理できる
タマネギ氷はそのまま使う、解凍して使うなど、調理方法がいくつか考えられますが、 頻度が高いのは凍ったまま調理する方法でしょう。 みそ汁などの汁物、カレーやシチュー、肉じゃがなどの煮物では、タマネギ氷をそのまま鍋に入れればいいので手間がかかりません。 マーボー豆腐やチャーハンといった炒め物を作る際も、タマネギ氷をそのままフライパンに入れれば、 タマネギのみじん切りの代わりになります。 ただし、タマネギ氷とほかの調味料でドレッシングやソースを作る場合は、いったん解凍した方がいいでしょう。 電子レンジで1~2分ほど加熱すれば、もとのペースト状に戻ります。 電子レンジで加熱する時間は、タマネギ氷2個(50g)当たり1分を目安にしてください。 もちろん電子レンジを使わず自然解凍でも構いません。
ハンバーグのタネや餃子のあんに練りこんだり、オムレツを作るための溶き卵に入れたりするときも、 タマネギ氷を解凍してください。 さらに、解凍したタマネギ氷は、薬味やタレとしても幅広く利用できます。 納豆、うどん、そば、焼き魚、揚げ物、丼物などに添えるとおいしくいただけます。 旨味やコク、甘みが増すため塩や砂糖の減量にも役立つので、ぜひ試してみてください。