高血糖・糖尿病の予防・改善に『タマネギ氷』①
衰えた膵臓を劇的に高めて血糖値がさらに安定する最強レシピ『タマネギ氷』は、 インスリンの働きを強め血糖値を下げるタマネギの効果がさらに高まります。
■「タマネギ氷」とは?
食後血糖値の上昇を抑える
血糖値をコントロールすることで、糖尿病を予防・改善する方法として、
勧められるのがタマネギの常食です。
タマネギには、膵臓から分泌されるインスリンの働きを強めて、血糖値を下げる作用のあることがわかっています。
また最近では、玉ネギには血糖値を上昇させるグルカゴンというホルモンの働きを抑える作用もあると考えられ、研究が行われています。
玉ネギの血糖降下作用については古くから知られており、1923年にカナダのコリップ博士による犬を使った試験で初めて報告されました。
その後、人への試験によっても同様の作用が確認されています。
1971年に、インドで行われた試験では、健康な人と糖尿病の患者さん各20人に食事と100mlの水、
または食事と100mlの玉ネギジュースを飲んでもらい、食後2時間の血糖値(基準値は140ミリグラム未満、200ミリグラム以上で糖尿病)
を比較しています。結果は、水の場合に比べて玉ネギジュースを飲んだ人では食後の血糖値が低下しました。
また、健康な人はタマネギジュースを飲んでも血糖値に変化は見られませんでした。
つまり、糖尿病での食後高血糖をタマネギが抑えていたのです。
1975年、英国でもタマネギの血糖降下作用について、同様の試験が行われています。
糖尿病の患者さん3人にタマネギジュースか水を飲んでもらい、食後2時間の血糖値を調べました。
水の場合は血糖値が75~90ミリグラム上昇したのに対し、タマネギジュースでは25~50ミリグラムしか上昇しませんでした。
この試験からも、玉ネギには食後の血糖値の上昇を抑える作用のあることがわかります。
その後、これまでに行われた研究から玉ネギには
①血糖降下薬に匹敵する薬理作用がある
②低血糖などの副作用は認められない
③加熱調理をしても血糖降下作用が得られる
④合併症の糖尿病性腎症が改善される
ということが報告されているのです。
■膵臓の衰えや老化を防ぐ
それではなぜ、タマネギを摂るとインスリンの働きが高まり、血糖降下作用が促進されるのでしょう。
それは、タマネギの含まれるさまざまなイオウ化合物が関係しています。
なかでも注目されているのが「ジサルファイド」という成分です。
実際、健康なマウスにジサルファイドを投与する試験では、血液中のインスリン量は変わらないのに、
食後の血糖値の上昇が抑えられることがわかっています。
このようにジサルファイドにはインスリンの働きを活発にして血糖値を下げる作用があるのです。
高血糖の人の膵臓は、血糖値を下げるためにインスリンを分泌し続け、酷使されて疲弊しています。
タマネギを摂ることでインスリンの働きが高まれば、インスリンの分泌量が少なくて済みます。
負担が軽減することで膵臓の衰えや老化を防げます。
さらに、タマネギには体内でインスリンの材料になる亜鉛やマグネシウムなどのミネラルをはじめ、 食物繊維、ビタミン類が含まれています。そうした栄養の豊富さも、タマネギが血糖降下作用をもたらす要因の一つと言えるのです。 では、糖尿病の予防・改善のためには、タマネギを1日当たりどれだけ摂ればいいのでしょうか。 これまでの研究などから、1日に50グラムのタマネギを摂るのが望ましいと言われています。 これは、タマネギの酢漬けやオニオンスライスにして1人前くらいの量になります。 タマネギは、サラダや漬物のほかにスープやみそ汁、煮物、カレー、炒めもの、あるいはドレッシングやソースなど、 さまざまな料理に利用できるので、積極的に取り入れましょう。
とはいえ、毎日タマネギを調理するのは大変です。そこで、お勧めしたいのが『タマネギ氷』です。 これは、タマネギをミキサーでペースト(粥)状に粉砕し、製氷皿で一口大に凍らせたものです。 あらかじめタマネギ氷を作っておけば、料理を作る際に冷凍庫から取り出し、鍋やフライパンに直接入れるだけなので 大変便利です。
次ページではタマネギ氷の作り方や料理での使い方について詳しく説明します。