高尿酸血症・痛風危険度チェック

人間の体内にある尿酸の約80%は、細胞の新陳代謝や、「プリン体」からエネルギーを作り出す際に生じたものです。 そして、残りの約20%は、食品中のプリン体が分解されてできたものです。 尿酸値が上がる背景には、もともとの体質と、食生活などの生活習慣の両方がありますが、 生活習慣は自分で改善することができます。まずは、自分の危険度をチェックしてみましょう。


■高尿酸血症・痛風危険度チェック

1.動物の内臓や魚の卵などが好き
動物の内臓や魚の卵は、他の部位に比べて細胞の数が多く、それだけプリン体も たくさん含んでいます。白子やあん肝、レバー、たらこなどが好きで、頻繁に食べるような人は、注意が必要です。

2.お酒が好き
ビールの酵母には、プリン体が多く含まれています。そのため、ビールのプリン体 含有量は、他のアルコール飲料に比べて多くなっています。 しかし、お酒はその種類に関係なく、尿酸を増やします。アルコールが肝臓で 分解される際に、プリン体が分解されて尿酸が生じるためです。 また、アルコールの分解の過程でできる「乳酸」は、腎臓から尿酸が排出されるのを妨げます。

3.日々ストレスを感じている
痛風発作を起こしたことがある人には、仕事熱心で競争心が強く、神経質な人が多いといわれています。 また、性格にかかわらず、緊張を強いられる環境にいると、尿酸値が上がりやすくなります。

4.時々激しい運動をする
息が切れるような激しい運動や筋力トレーニングなどの無酸素運動を行うと、 多くのエネルギーが必要になり、その分、老廃物である尿酸もたくさん生じます。 特に、ふだん余り運動しない人が急に無酸素運動を行うと、痛風発作を招きやすいので要注意です。

5.太っている(BMI値25以上)
BMI別に、尿酸値が7mg/dl以上の人の割合を調べると、BMIが高い人ほど高尿酸血症である割合が増えています。 肥満と高尿酸血症には、食べすぎやお酒の飲みすぎ、運動不足などの共通の要因があります。 また、体内の脂肪組織は、尿酸の産生を増やしたり、腎臓からの尿酸の排出を抑えてしまいます。

6.親兄弟に痛風になった人がいる
血縁の近親者に痛風患者がいると、本人も尿酸値が上がりやすい傾向があります。 尿酸値が上がりやすい体質や、尿酸値を上げるような生活習慣を共有していることが多いためです。

7.男性である
女性ホルモンには、腎臓からの尿酸の排出を促す働きがあります。 痛風を持つ人の95%以上は男性といわれています。

上記の7つの項目のうち、2つ以上に当てはまる場合は、尿酸値が高くなっている可能性があります。 医療機関で血液検査を受け、尿酸値を調べておきましょう。



●尿のph値を調べて危険度チェック

健康な人の尿は弱酸性ですが、尿の酸性度が高くなると、尿酸が溶けにくくなり、尿酸の排出が妨げられます。 尿酸値が気になる人は市販のph試験紙を使って、自分の尿の酸性度を測ってみるとよいでしょう。 ph値とは、液体などの酸性・アルカリ性の度合いを示すものです。 少量の尿を紙コップなどに採ってph試験紙を浸し、紙の色の変化を見本と比べます。 phの数値は6~7くらいが理想で、小さくなるほど、酸性度も高くなります。 1日1回調べるときは、起床後すぐの尿を使います。毎食後など、1日に何回か測ると、 変化のパターンがわかり、生活習慣改善の手がかりになります。