内臓脂肪とメタボリックドミノ「食生活の改善」

・肥満があることを認識し、適正なエネルギー量にする。
・”だらだら食べる”など、食べ過ぎにつながる食生活も改める。
・まずは体重を1ヶ月で1kg減らし、継続への自信をつける。


■食生活の改善

メタボリックドミノを倒さない基本的な対策の1つ

内臓脂肪型肥満がもとになり、それが進行することでさまざまな生活習慣病が起きてくることを表すのが 「メタボリックドミノ」です。進行して何らかの病気を発症した場合には、その病気に対する治療が必要になります。 しかし、メタボリックドミノを倒さないための基本的な対策は、「食事」「運動」 にあります。食べ過ぎや運動不足が原因となるため、これらを改善することで、ドミノが倒れるのを防ぎます。 食事に関しては、次に示す「7つの心得」を守るようにしましょう。 内臓脂肪型肥満がある場合は、高血糖や高血圧、脂質異常といった「メタボリックシンドローム」の有無に関わらず、 取り組む必要があります。


●7つの心得①

食べ過ぎていることを認識し、思い込みを改める

”食べずに太る人はいない”というのは当然のことです。しかし肥満がある人の中には、自分はあまり食べていないのに太ってしまう と考えている人がいます。実際はちょくちょく食べているのに、そのことに気付いていなかったり、都合よく無視してしまったり するのです。また、たくさんの量を食べているのに、それが適正だと思っている人もいます。 食べていないのに太ると感じている人は、このような思い込みを捨て去り、認識を改めることがまず必要です。

◆適切な食事量を知り、改善する

すでに肥満がある人は、それを改善するために、食事で摂取するエネルギー量を適正な量にする必要があります。

「身長(m) × 身長(m) × 22 × 25(kcal)」

から求められる適正な量の範囲内に、毎日の摂取エネルギー量を求めましょう。


●7つの心得②~⑦

食べ過ぎにつながる食生活を改め、体重を減らしていく

◆腹八分目にする

満腹になるなるまで食べないように心掛けます。そうすることで、それまで感じていた”いつもおなかが空いている” ”次の食事が待ち遠しい”といった感覚に慣れてきます。こうした感覚に慣れることで、食べ過ぎを防ぎます。

◆だらだら食べない

だらだら食べ続けていると、どうしても食べる量が多くなります。また、たとえ食べる量が同じでも、だらだら食べていることで、 消化吸収のために働く腸が休めなくなり、疲弊してしまいます。 食事を抜いたり、食事の時間がずれたりするのもよくありません。食事のタイミングがばらばらだと、エネルギーの吸収や消費を 統括している脳の働きが乱されてしまうからです。仕事の合間に食事をするのではなく、食事の時間を決めておき、 それに合わせて仕事をするというような心構えが必要です。

◆記録する

手帳などに、食べたものとおおよそのエネルギー量、1日の総摂取エネルギー量や体重などを記録します。 これを続けることで、自然に食事量を意識できるようになります。 食べた物のエネルギー量は、細かく計算する必要はありません。 例えば、市販の弁当や社員食堂の料理など、何kcalと表示がされている食べ物を繰り返し見て記録しているうちに、 おおよそのエネルギー量がわかるようになります。 また、体重は、1日に1回、同じ時刻に、同じ状態で、同じ体重計を使って測定するようにしましょう。

●体重を1kg減らすには?

1日約240kcal減の食事を1ヶ月間続ける

1日に約240kcal食べ過ぎたと仮定し、それが1ヵ月間続くと、体内の脂肪組織は約1kg増えます。 逆に考えると、食事で摂取するエネルギー量を1日に240kcal減らすと、1ヶ月間で余計にたまる約1kgの脂肪組織を減らせる ことになるのです。1日の摂取エネルギー量を約240kcal減らすには、2つの方法があります。 1つは、エネルギー量の多い献立から少ない献立に変える方法です。もう1つは、毎食少しずつ残して、 摂取エネルギー量を減らす方法です。

これらの方法を成功させるためには、よく食べるものや好きな食べ物のエネルギー量を知っておくことが大切です。 また、食べ物のエネルギー量は、見た目の量と正比例しません。似たような料理でも、使われる材料によって エネルギー量が異なる場合があるので注意が必要です。

◆食べることをないがしろにしない

食べることに関心がないと、毎日の食事についてまじめに考えることができず、食べ過ぎにつながってしまいます 食べ過ぎの防ぐためには、自ら食べることに興味を持ち、ないがしろにしないことが大切です。