内臓脂肪とメタボリックドミノ「ちょっときつめの運動を」
・運動不足の状態は、高血糖や高血圧につながる活性酸素を増やす。
・ミトコンドリアを活性化させることで、細胞から体が元気になる。
・無理のない範囲で歩くスピードを上げるちょっときつめの運動を、習慣にする。
■運動の効果
細胞から元気になることで、ドミノが倒れるのを防ぐ
「メタボリックドミノ」は、内臓脂肪型肥満から始まり、さまざまな生活習慣病が一気に起こることを表しています。 ドミノが倒れるのを防ぐためには「食事」と「運動」による対策が欠かせません。 運動に関しては”ちょっときつめ”の運動を行うのが効果的です。これを少し息が切れるくらいまで行い、 さらに、筋肉も鍛えるようにします。 このような運動を行っていると、体を構成している細胞から元気になることができます。 それが、メタボリックドミノが倒れるのを防ぐのに役立つのです。
●運動と細胞の関係
ちょっときつめの運動は、ミトコンドリアの性能を高める
体を構成している1つ1つの細胞の中には、「ミトコンドリア」という小さな器官があります。 ミトコンドリアは、体を動かすエンジンの役割をする器官です。 ここでは、燃料である糖や脂肪を、酸素を使って燃焼させ、体が活動するためのエネルギーを作り出しています。 ちょっときつめの運動を行うと、エネルギーを作り出すのに必要な酸素が、やや不足した状態になります。 すると、ミトコンドリアは不足気味の酸素をうまく利用して、効率よくエネルギーを作るようになります。 つまりちょっときつめの運動を行うことで、ミトコンドリアの性能が向上するのです。
◆性能が低下すると、活性酸素を増やす
一方、運動不足の状態ではエネルギーをあまり使わなくなるため、ミトコンドリアは頑張る必要はなくなり、性能が低下します。 すると、糖や脂肪を燃焼させるときに酸素をうまく利用できなくなり、 「活性酸素」という、 高血糖や高血圧を招く有害な物質ができてしまいます。 活性酸素は、運動不足時だけでなく、食べ過ぎなどによって糖や脂肪などのエネルギー多余った状態でも、 ミトコンドリアががんばらなくなるため、多く作られるようになります。