腹ヤセ脳作り③「体重の目標設定をやめること」

腹ヤセ脳作りの第2は体重の目標設定をやめることで、少し太っても気にしないのが腹ヤセ脳にすぐなる秘訣。 以下の文章は某医科大学教授が健康雑誌に寄稿したものです。

■体重の数値目標は挫折を招く危険大

前頁で述べたように、 腹ヤセ脳になるためには、自らの生活習慣を観察・記録する「セルフモニタリング」が必要です。 セルフモニタリングをやれば、「よく噛んで食べる」「なるべく階段を使う」といった行動に対する体重の変化を、 はっきりと把握することができます。セルフモニタリングのやり方は簡単。セルフモニタリングシート(下図参照)を用意し、 行動目標と達成度合いの評価、体重・腹囲などの測定値を毎日記録するだけです。 行動目標は、食事と運動でそれぞれ3個まで、合計で最大6個、設定して記入します。 ここで、「10kg痩せる」といった体重の数値目標がないことに、疑問を持つ人もいるかもしれません。 実は、腹ヤセ脳を作る第2の秘訣は「体重の目標設定を止めること」なのです。 ダイエットの目標設定では、「体重5kg減」「ウェスト10cm減」といった数値目標を立てるのが一般的。 しかし、私の肥満外来での診療経験から言えば、こうした数値目標を立てると、逆にダイエットで挫折する危険が高まるのです。 ダイエットを始めても、体重が減り出すのには時間がかかります。そこで、体重の数値目標を決めてしまうと、 短時間で達成したいと無理をしがちになります。その結果、「頑張っても痩せられない」「何をやっても成果が出ない」 とあきらめ、挫折してしまうのです。また、頑張って目標を達成したとしても、急激に体重を落とせば、 それだけリバウンドをする確率も高くなります。 腹ヤセ脳を作るためには、体重や腹囲などの数字ではなく、「何をするか」という行動を目標としてください。 その際に重要なのは、他人に強制されることなく、「やってみたい」「続けられそう」と思える行動目標を自分で決めることです。 人間は、自分で決めたことに対しては、前向きに取り組むことができます。 行動目標を自分で決めれば、やる気も高まり、ダイエットを成功へと導くのです。


●毎日体重を量って、増減を予測してみよう

体重の目標設定をやめるといっても、体重の変化を無視するわけではありません。 体重は毎日測定し、記録してください。体重は、腹ヤセ脳になった結果を評価するための基準とするのです。 体重は、1日1回、決まった時間帯に量るようにします。 体重計は、100g単位で体重を正確に測れるデジタル式を使うようにしましょう。 毎日体重を量る習慣ができると、体重計に乗る前に自分の体重が予測できるようになります。 「今日は通勤時に階段を使ったから500g減っているかな」「昨晩お酒を飲み過ぎたから300g増えているかも」といった具合です。 もっとも、予測を的中させることが目的ではなく、予測通りに減っていても増えていても、なぜそうなったかという原因を 考えることが大事です。こうした自らの行動をセルフモニタリングすれば、行動と成果が結びついて、やる気が高まるのです。 とはいえ、体重が確実に増えていそうな日は、あえて体重を量らなくても大丈夫。 体重計の数値を見てショックを受けるくらいなら、体重計に乗らない日にしてしまった方が、結果的に長続きするします。 息苦しく感じずに余裕を持って行うのが、腹ヤセ脳になる大事なコツです。 毎日を体重測定に慣れてきたら、体重を折れ線グラフ化すると、より効果が高まります。 グラフにすれば体重の変化が目に見えてわかりやすくなるため、ダイエットが楽しくなるでしょう。 グラフの目盛りは1kg単位でなく、100g単位にすれば、わずかな体重変化が大きく感じられ、さらに楽しみが増します。


セルフモニタリングシート