腹ヤセ脳作り④「無理な減食やきつい運動などをやめること」

腹ヤセ脳作りの第3は、苦しい減食や運動をやめることで、我慢せず達成できる小さな成功が楽ヤセへの近道。 以下の文章は某医科大学教授が健康雑誌に寄稿したものです。

■やってみたくて続けられそうなことを行う

腹ヤセ脳を作るためにセルフモニタリングを行う際には、食事と運動でそれぞれ3個まで、合計で最大6個の行動目標を設定し、 セルフモニタリングシートに記入します。ここで大切なのは「無理せず、頑張り過ぎず、続けられそう」という視点です。 従来の強制ダイエットでは、体重の減少に直結する減食や運動などの行動目標として設定していました。 このやり方は合理的に見えますが、本人が「やりたくない」「続けられそうにない」と思うような行動目標は続きません。 ダイエットを始めたばかりの頃はやる気が高く、ある程度は続くこともありますが、しばらくするとやる気を失い、 挫折したりリバウンドしたりする危険が高いのです。つまり、腹ヤセ脳になる第3の秘訣は 「無理な減食やきつい運動などを止めること」と、肝に銘じることなのです。 例えば、運動をしたことのない人が「ひと月に3kg減量するため、1日10分だけ歩く」だったら、毎日続けられるかもしれません。 スポーツクラブに通うという目標を立てた人は、毎日ではなく、最初の頃は週に1回と決めれば、無理なく続けらるのではない でしょうか。間食の禁止、禁酒、禁煙などもいきなり行うのではなく、週に1回から始めればいいのです。 自分のできそうな目標を立て、小さな行動でも続けていくことが、腹ヤセ脳を作るためには重要です。 行動目標を決めるときの条件はたった二つ。「その行動をやってみたいか」「その行動を続けられそうか」です。 やってみて続けられそうな目標なら、成功する確率は高まります。「継続は力なり」という言葉があるように、 小さな目標でもコツコツと積み重ねれば、いずれは目に見えるダイエット効果へと繋がるでしょう。 私は、肥満外来を訪れる患者さんに対し、体重をひと月に2kg以上落とさないような目標を立てるように指導します。 それ以上急激に減量すると、リバウンドする危険が高まるからです。ゆっくり、じっくり、できる範囲内で太らない生活習慣を続けていくのが、 長い目で見ると腹ヤセ脳に早くなれるのです。70~80%の確率で達成できそうな目標を選ぶようにすると、結果的に長続きします。


●半年続ければ下腹がへこむ

行動目標を立てたら、それをセルフモニタリングシートに記入し、それがこなせたかどうか、毎日の終わりに評価し、 シートに記録します。評価は「○まあまあできた」「△あまりできなかった」「×できなかった」の3段階。 前に述べたように、達成率は70~80%でいいので、週に1~2回は△や×が付いても当たり前。そんな気持ちで続けてください。 ただし、1週間のうち半分以上も△や×が並ぶと、体重が思ったように減りません。 その場合は、そのまま続けずに気持ちを新たにして、やってみたくて続けられそうな行動目標を選び直しましょう。 反対に、週5~6回クリアできている行動目標は、もう少し高いレベルのものに入れ替え、新しい目標に挑戦するようにしましょう。 目標の選び直しは、1ヶ月後を目安に行うようにしてください。 セルフモニタリングでやる気を高めながら、新しい行動目標にチャレンジしているうちに、脳が自然と腹ヤセ脳となり、 太らない生活習慣が身に付くようになります。実際、私の肥満外来の患者さんには、33kgのダイエットに成功した人もいます。 半年も続ければ、目に見えた変化が必ず現れ、ポッコリ突き出たお腹もへこんでくるでしょう。