腹ヤセ脳作り①

行列ができる大学の肥満外来直伝!お腹ヤセ効果が倍増し、33kg痩せた人もいる腹ヤセ脳つくり。 お腹ヤセ成功による脳がダイエットを楽しむ『腹ヤセ脳』になるのが肝心で、減量効果も2倍にアップ!

■強制ダイエットは挫折する危険大

以下の文章は某医科大学教授が健康雑誌に寄稿したものです。

2009年に厚生労働省が発表した「国民健康・栄養調査」では、日本人の肥満の割合は男性が30.5%、女性が20.8%と報告されています。 太ったままでいると、見た目が悪いばかりか、 糖尿病高血圧動脈硬化脂質異常症 といった生活習慣病を招く危険が高まります。 とはいえ、肥満を解消するのは結構難しいもの。食事量を減らしたり、運動をしたりして一時的に体重が落ちても、 リバウンドせずに理想の体重と体型を維持できる人は、驚くほど少ないのです。 実は、その理由ははっきりしています。痩せられない人は、「やりたくないな」と思っているダイエット法を、 「我慢してやれば痩せられる」と思って自分に強制しているからです。そういったダイエット法は、いわば、 「強制ダイエット」と呼ぶことができます。

例えば、健康診断で肥満を指摘されると、「体重を5kg減らす」「運動を心掛ける」「摂取カロリーを減らす」 「お酒を控える」など、減量法を具体的に指導されます。確かに、カロリーが高い食べ物を我慢して運動量を増やせば、 誰でも痩せられるでしょう。ところが太っている人は、甘いものや揚げ物が大好きで、運動が大嫌いな人が多いのです。 好きなことを我慢して、やりたくないことを嫌々行えば、途中で挫折するのは当たり前でしょう。 ダイエットを行うのは、生身の人間です。人間の心理状態を無視した強制ダイエットが成功するはずはありません。 工夫次第で、もっと簡単に生活を変えられ、お腹太りもリバウンドもない人生を過ごすことができるのです。 その方法は極めて簡単。脳を『腹ヤセ脳』に変えるだけです。 ここでは、腹ヤセ脳を作るコツについて、詳しく解説していきます。


■リバウンドも起こらなかった

腹ヤセ脳とは、簡単に言えば、自分の中にある「思い込み」に気付き、自分から行動を変えていく思考法です。 大学病院の肥満外来で診療を行う私が、脳を腹ヤセ脳に変えるダイエットを考え出したのは、 従来の強制ダイエットでは思ったような成果が出なかったからです。 そこで、誰かに強制されるのではなく、自分で主体的にダイエットに取り組むために、知り合いの心理学の先生に 「認知行動療法」を教えてもらい、それをもとに独自に、腹ヤセ脳になるダイエットを考え出したのです。 私は、肥満外来で比較試験を行いました。25人のグループを2つ作り、それぞれ、強制ダイエットを行ってもらいました。 そして、そのうち一つのグループには、強制ダイエットに加え、認知行動療法によるカウンセリング(助言)も 併せて行いました。つまり、このグループは、腹ヤセ脳になったうえでダイエットを行ったといっていいでしょう。 その結果、6ヵ月後には、腹ヤセ脳になるダイエットを行ったグループは、強制ダイエットに比べ、 約2倍(平均6kg)の減量効果があったのです。 さらに、その後の6ヶ月追跡調査をすると、腹ヤセ脳ダイエットを行ったグループでは、リバウンドが起きにくいことも判明しました。 一方の強制ダイエットのグループでは、一時的には痩せますが、途中で挫折してしまう人も多く、 リバウンドも多いことが明らかになっています。

この結果の違いは、ダイエットを楽しんだのかどうかの差と考えていいでしょう。 つまり、腹ヤセ脳になったグループでは、楽しみながら運動や減食ができるように、生活習慣や行動を自ら変えた結果、 効果が高まり、リバウンドも起こらなくなったのです。 さらに、体重が減るという成果が現れると「やればできる」という「自己効力感」が高まります。 自己効力感とは、事実に基づく自信のようなもので、これがあると、ダイエットに取り組む意欲もますます強まります。 これが、腹ヤセ脳のグループに挫折やリバウンドが少ない理由と考えられます。 これからダイエットに挑戦しようとしている人は、ぜひこの結果を参考に、まずは脳を腹ヤセ脳に作り変えてください。 成功率が高まるはずです。腹ヤセ脳の具体的な作り方については、次頁から解説していきます。