メニエール病のめまい

難聴や耳鳴りを伴うめまい

『メニエール病』によって起こるめまいは自分や周囲がぐるぐると回っているように感じられる回転性の激しいめまいです。 難聴、耳鳴り、耳が詰まったような感じを伴うのも特徴です。 いったん発作が起こると、20分~数時間続きます。めまいが起こっているときは、横になっても安静にしている以外、何もできなくなります。 さらに、自律神経にも影響が現れ、吐き気や嘔吐、冷や汗、脈が速くなるといった症状を伴うこともよくあります。 非常につらく、日常生活に支障を来します。 そして、このようなめまいの発作が繰り返し起こります。繰り返す頻度はさまざまで、2~3日おきに起こる人もいれば、起こるのが年に数回という人もいます。 めまいの発作を繰り返していると、 難聴が進行することもあるので、適切な治療を受けることが大切です。


■メニエール病が起こる仕組み

平衡感覚や音の感受を司る部位が障害されて起こる

耳の一番奥に当たる内耳には、平衡感覚を司る「三半規管」と、音を感じ取る「蝸牛」という部位があります。 三半規管と蝸牛の内部は膜で2つの部分に分けられていて、それぞれが内リンパと外リンパという性質の異なる2種類の液体で満たされています。 メニエール病は、何らかの原因で内リンパが溜まって増え、”水膨れ”のような状態になることで発症すると考えられています。 内リンパが溜まり続け、膜が押し上げられるようになると、難聴が起こります。 さらに内リンパ液が増え、膜が破れて性質の異なる外リンパ液と混ざり合うと、 激しいめまいや耳鳴りなどが起こると考えられています。 これを「内リンパ水腫」といいます。破れた膜は自然に戻るため、めまいの発作はしばらくすると治まります。 しかし、再び内リンパが溜まると、発作が繰り返されることになるのです。

●原因

内リンパ液が溜まる理由ははっきりしていませんが、 ストレス疲労がメニエール病の発作を誘発したり、悪化させたりすることがわかっています。 ストレスや疲労でホルモンのバランスが崩れ、尿が出にくくなって体内に水分が溜まり、同時に内リンパも溜まりやすくなるのではないかと考えられています。 かつては30歳~50歳代に多い病気といわれていましたが、最近では60歳代や70歳代にも増えています。