非変性Ⅱ型コラーゲン

非変性Ⅱ型コラーゲン進化型コラーゲン)』は、グルコサミンやコンドロイチン硫酸といった 従来のサプリメントとは全く違う仕組みで、膝痛などの関節痛を根本から改善に導いてくれる画期的な栄養です。 従来のサプリメントが軟骨を作る材料の補給を主眼としていたのに対し、非変性Ⅱ型コラーゲン(進化型コラーゲン)は、 軟骨を破壊する白血球の暴走を食い止めようとするものです。 その結果、膝の炎症が速やかに治まって痛みや腫れが和らぐと同時に、破壊される一方だった軟骨が自然治癒力によって修復されることが期待できます。


■非変性Ⅱ型コラーゲン(進化型コラーゲン)

米国・欧州・アジア各国で注目の的

しかし、天然の形のままⅡ型コラーゲンを抽出する技術の開発は、困難を極めました。 というのも、Ⅱ型コラーゲンは三重構造を持つ線維性のコラーゲンで、エピトープという目印が付いた 複雑かつ繊細な構造をしているからです。 それを可能にしたのが、ハーバード大学医学部のトレンタム博士らの研究でした。 やがて、鶏の胸部軟骨から、Ⅱ型コラーゲンを変性せずに、ほぼ天然のまま抽出し、 小腸に送り届ける画期的な技術が開発され、こうして抽出されたコラーゲンは「非変性Ⅱ型コラーゲン」 と名づけられたのです。「進化型コラーゲン」とも呼ぶべき非変性Ⅱ型コラーゲンは、 膝痛をはじめとする関節痛を根治に導く可能性を秘めた夢の新栄養として、 米国のみならずヨーロッパやアジア各国でも、一躍、大注目を集めています。 特に米国では、非変性Ⅱ型コラーゲンを配合したサプリメント補給が、中高年の間でブームを巻き起こしています。 そして、膝痛で悩む多くの人たちが、この非変性Ⅱ型コラーゲンの恩恵を受けているのです。

非変性Ⅱ型コラーゲンが米国で話題を集めた背景には、一人の女性の存在がありました。 米国の著名な科学者であるムアー博士には、原因不明の若年性関節リウマチを9歳で発症し、 膝などの関節痛のためにソファから身を起こすこともままならなかった愛娘がいました。 ムアー博士は愛娘を助ける方法を模索し、とうとうハーバード大学医学部のトレンタム博士が書いた 非変性Ⅱ型コラーゲンの研究成果を、文献から見つけ出し希望を持ちました。 そして、実際に、非変性Ⅱ型コラーゲンのサプリメントを愛娘に摂らせたところ、 驚くような劇的な改善ぶりを示したというのです。 現在、ムアー博士の愛娘は20代になり、自分で車を運転して教会に出かけたり、映画を見に行ったりと、 普通の生活が楽しめるようになっています。彼女に起こった劇的な変化は米国で大々的に報じられ、 非変性Ⅱ型コラーゲンは一躍大ブームを起こしたわけです。


●非変性Ⅱ型コラーゲンが効く仕組み

炎症が治まって、痛みや腫れも鎮まる

上の例からもわかるように、非変性Ⅱ型コラーゲンは、変形性膝関節症だけでなく、関節リウマチが原因の膝痛にも 優れた改善作用のあることがわかっています。 関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、免疫が過剰に働いて自らの一部を誤って攻撃することで起こる病気です。 関節リウマチの場合は、ウィルスなどの感染をきっかけに免疫の主役を担う白血球が活発に働きます。 しかし、ウィルスを撃退した後も軟骨に対する白血球の攻撃が止まらないため、炎症が広がってしまうのです。 軟骨には、天然のⅡ型コラーゲンがたくさん含まれているので、白血球はⅡ型コラーゲンを標的にして 執拗に攻撃を仕掛けているわけです。

さて、ここからが非変性Ⅱ型コラーゲンの真骨頂ですが、摂取した非変性Ⅱ型コラーゲンの大部分は消化液に分解されずに 小腸に届きます。非変性Ⅱ型コラーゲンは、体内にあるⅡ型コラーゲンとそっくりな形(構造)をしているので、 そこで、前述の「経口免疫寛容」が発動されます。つまり、白血球が攻撃している膝軟骨のⅡ型コラーゲンは 異物ではない、という信号が全身に行き渡るのです。 すると、Ⅱ型コラーゲンを標的にしていた白血球の攻撃に中止命令が下され、炎症による軟骨の破壊が速やかに治まり、 痛みや腫れも鎮まるわけです。

◆軟骨を破壊する酵素の分泌や作用を抑える

さらに、非変性Ⅱ型コラーゲンには、もう一つの見逃せない働きがあることもわかっています。 軟骨の組織では、絶えず破壊と再生が繰り返されており、膝の関節が傷むのは、遺伝や生活習慣などの影響で 破壊が再生を上回ってしまうためです。その点、非変性Ⅱ型コラーゲンには、軟骨のⅡ型コラーゲンを破壊する コラゲナーゼなどのタンパク質分解酵素の分泌や作用を抑え、軟骨の再生を促す働きも認められているのです。 つまり、①炎症を抑え、②軟骨の破壊を止めることで軟骨の修復を促すという一石二鳥の役割を、 非変性Ⅱ型コラーゲンは果たしてくれるのです。

このように軟骨を修復して膝痛を改善に導く非変性Ⅱ型コラーゲンの効果は、関節痛の患者さんを対象にした 複数の臨床試験で確認されています。そして、膝などの関節痛を和らげる非変性Ⅱ型コラーゲンの効果は、 グルコサミンやコンドロイチン硫酸に勝るという研究結果も報告されています。


●非変性Ⅱ型コラーゲンの効果試験

リウマチの権威がいち早く注目

非変性Ⅱ型コラーゲンが、変形性膝関節症や関節リウマチに効く仕組みは上記の通りですが、 非変性Ⅱ型コラーゲンのすごいところは、実際の臨床試験でもその効果の大きさが確認されていることです。 非変性Ⅱ型コラーゲンにいち早く注目し、臨床試験を世界で始めて実施したのは、関節リウマチの世界的権威である、 ハーバード大学のトレンタム博士でした。 トレンタム博士は、まず、10名の関節リウマチの患者さんを対象に、90日間にわたって非変性Ⅱ型コラーゲンを飲んでもらい、 痛みや運動能力の変化について調べました。その結果、10名中6名に著効が現れ、その中の1人はリウマチが治っていたのです。 次に、重篤な関節リウマチの患者さん60名を30名ずつの2つのグループに分け、一方には非変性Ⅱ型コラーゲンを、 もう一方にはプラセボ群として偽薬を90日間にわたって飲んでもらう試験を行いました。 その結果、非変性Ⅱ型コラーゲンを摂ったグループでは、30名中28名に、関節の腫れが引く、痛みが軽くなるなどの効果が現れ、 そのうちの4名はリウマチが完治。一方のプラセボ群では症状が悪化しました。 さらに、早期の関節リウマチの患者さん10名に90日間、非変性Ⅱ型コラーゲンを飲んでもらった試験でも、 10名中8名で関節の痛みや腫れの改善したことが報告されました。

◆変形性膝関節症の痛みにも著効

トレンタム博士の臨床試験が話題となり、ドイツなどでも非変性Ⅱ型コラーゲンの臨床試験が行われるようになると、 関節リウマチだけではなく、変形性関節症にも効果のあることが明らかになってきました。 そこで、安静時にも関節に痛みのある生犬20匹を用いた動物実験も行われました。 実験では犬を4つのグループに分け、第一群は偽薬を用いたプラセボ群とし、 第二群にはグルコサミンとコンドロイチン硫酸を、第三群には非変性Ⅱ型コラーゲンを、 そして第四群にはグルコサミンとコンドロイチン硫酸に加えて非変性Ⅱ型コラーゲンを与えました。 そして120日後に、獣医の判定のもとに、痛みの度合いの変化を調べたところ、 非変性Ⅱ型コラーゲンを摂っている第三群と第四群では、全期間を通じて痛みの軽減が認められました。 それに対して、グルコサミンとコンドロイチン硫酸だけの第二群は、30日までは痛みが軽減しましたが、 それ以降は痛みの軽減がありませんでした。

◆非変性Ⅱ型コラーゲンは少量摂れば効果大

さらに、人間の変形性関節症の痛みに対するグルコサミンとコンドロイチン硫酸、非変性Ⅱ型コラーゲンの効果を 調べる試験も行われました。変形性関節症の患者さん52名を26名ずつの2つのグループに分け、 一方には非変性Ⅱ型コラーゲン10mgを、もう一方のグループの患者さんにはグルコサミン1500mgと コンドロイチン硫酸1200mgを、毎日飲んでもらい、痛みの程度を30日、60日、90日後に調べました。 その結果、どちらのグループも途中までは有意に効果がありましたが、90日後にも痛み軽減がはっきり認められたのは、 非変性Ⅱ型コラーゲンを飲んだグループのみでした。このような臨床試験の結果を見ても、 変形性膝関節症や関節リウマチに対する非変性Ⅱ型コラーゲンの有用性がわかると思います。

さらに、注目すべきなのは、試験中の摂取量です。グルコサミンやコンドロイチン硫酸に対し、 非変性Ⅱ型コラーゲンの量は、ごくわずかです。つまり、非変性Ⅱ型コラーゲンであれば、 グルコサミンやコンドロイチン硫酸のように多量に飲む必要がないため、らくに継続できるという利点もあるのです。 少ない摂取量で大きな効果が得られる非変性Ⅱ型コラーゲンは、最近、ドラッグストアや通信販売で 数種類が広く市販され始めています。慢性的な関節痛に悩む中高年の人は、ぜひ、試して欲しいと思います。