グリコーゲン

グリコーゲンは肝臓に蓄積され、エネルギーが不足したときに、体の「非常食」として動員されます。


■グリコーゲンとは?

グリコーゲンは肝臓と骨格筋で主に合成され、余剰のグルコースを一時的に貯蔵しておく意義があります。 糖分の貯蔵手段としてはほかに、脂肪とアミノ酸という形によるものがあります。 脂肪酸という形でしかエネルギーを取り出せない脂肪や、合成分解に窒素代謝の必要なアミノ酸と違い、グリコーゲンは直接ブドウ糖に分解できるという利点があります。 ただし、脂肪ほど多くのエネルギーを貯蔵する目的には向かず、食後などの一時的な血糖過剰に対応していています。 肝細胞は、食後直後に肝臓の重量の8 %(大人で100-120 g)までのグリコーゲンを蓄えることができます。 肝臓に蓄えられたグリコーゲンのみが他の臓器でも利用することができます。 骨格筋中ではグリコーゲンは骨格筋重量の1-2 %程度の低い濃度でしか貯蔵できません。 筋肉は、体重比で成人男性の42%、同女性の36%を占めます。このため体格等にもよるが大人で300g前後のグリコーゲンを蓄えることができます。 グリコーゲンの合成・分解は甲状腺、膵臓、副腎がそれぞれ血糖に応じてサイロキシン、グルカゴン及びインスリン、アドレナリンなどを分泌することで調整されます。 なお、肝臓で合成されたグリコーゲンと骨格筋で合成されたそれとでは分子量が数倍異なり、前者のほうが大きいです。