糖鎖(とうさ)

糖鎖』は字の如く糖(単糖類)が鎖の様に連なったものです。 人体を構成する約60兆個の細胞は、糖鎖と糖鎖が触れ合うことでお互いの情報を交換し合い細胞間でコミニケーションを取っているといわれています。 また細胞間だけではなく、細胞に近づくあらゆる物、たとえばバクテリアやウイルス、毒素、科学物質、ホルモン、 各種栄養素などを瞬時に見分けて、排除するか、または取り入れるかを判断しているのです。 このように糖鎖は細胞のアンテナやセンサーのような働きをしています。 そして、病気の原因は、この糖鎖の異常または変形で細胞間同士の情報交換が機能不全に陥ったこと原因と言われています。


■糖鎖とは?

『糖鎖』は字の如く糖(単糖類)が鎖の様に連なったものです。 私たちの体は約60兆個の細胞から作られています。 この細胞を精巧な電子顕微鏡で拡大して見ると、なんと一個一個の細胞の表面に産毛のようなものが、 もやもやと生えているのが見えます。数えてみると約500から数10万本になります。 これが糖鎖と呼ばれるものです。 ウニの外側に生えているトゲのような感じです。トゲと言っても針のような先が尖っているわけではなく、 さんご礁のような先が幾重にも分かれているイメージです。また、別の表現では糖鎖は「細胞の顔」であるとか、 「細胞のマント」であるとか、「二人羽織り」 を着ているようだと言われます。 しかし、この糖鎖については今までよく知られていませんでした。 最近その研究だんだんと解明され、驚くべき働きがあることが解ってきました。


●8種類の単糖類

糖鎖は8種類の単糖類が複雑に組み合わさってできています。

  • グルコース(穀物類など)
  • ガラクトース(乳製品など)
  • マンノース(アロエ、サボテンなど)
  • フコース(海藻類など)
  • キシロース(樹枝の皮など)
  • N−アセチルグルコミン(エビ、カニの甲羅など)
  • N−アセチルガラクトミン(牛乳、鮫軟骨など)
  • N−アセチルノイロミン酸(燕窩(ツバメの巣)、母乳など)

これらの8種類の単糖類の内、炭水化物に含まれるグルコースや牛乳に含まれるガラクトースは、 日常の食生活で多く摂取できるものです、しかし、ほかの6種類は最近の食生活の習慣では、 相当意識しないと摂取できないと言われています。その為、現在人は糖鎖栄養素不足に陥っていると言われています。 その結果、糖鎖が正常に形成されず、糖鎖の異常や変形の原因となって、アンテナとしての機能が失われ、 特に免疫機構に異常が生じ、これが原因で病気を引き起こしているのではないかと考えられてきています。 まだ仮説ですが、すべての病気の原因は糖鎖異常であるという「糖鎖異常病原説」が言われ始めています。


●糖鎖の働き

人体を構成する約60兆個の細胞は、糖鎖と糖鎖が触れ合うことでお互いの情報を交換し合うといった、 「細胞間コミニケーション」「共通言語」 の働きをしていると言われています。 また細胞間だけではなく、細胞に近づくあらゆる物、たとえばバクテリアやウイルス、 毒素、科学物質、ホルモン、各種栄養素などを瞬時に見分けて、排除するか、 または取り入れるかを判断しているのです。 このように糖鎖は細胞のアンテナやセンサーのような働きをしています。 では、このアンテナ、センサーの働きが悪くなったらどうなるでしょうか? 実は病気の原因は、この糖鎖の異常または変形で細胞間同士の情報交換が機能不全に陥ったこと原因と言われています。

▼主な糖鎖の働き
・細胞間の情報伝達
・お互いの細胞の種類と状態を認識し合う
・ウイルスや細菌、バクテリア、毒素など異物の認知と排除指示
・ホルモンや神経伝達物質を識別し、細胞へ伝えるレセプターの働き
・白血球の病原菌への攻撃指示
・免疫細胞の相互コミニケーショや総合コントロール
・がん細胞の発生認知と修復または攻撃指示
・一番適切な精子と卵子の結合指示
・ABO式血液型の決定
・自己と非自己、有害と無害の識別、異物の記憶

●100種類以上の病気に関与

糖鎖は細胞のアンテナやセンサーのような働きをしています。糖鎖に異常が生じると身体に様々な機能低下が起こり、 老化や病気を引き起こす原因となります。厚生労働省では、糖鎖は100種類以上の病気に関与していると発表しています。 特筆すべきは、身体に良いとされる栄養素や健康補助食品を摂っても、身体の中で吸収して細胞に届き、 有効に活用されるかどうかは糖鎖が判断することになる点です。 病気の原因は、この糖鎖の異常または変形で細胞間同士の情報交換が機能不全に陥ったことが原因と言っても過言ではないでしょう。