更年期障害に『プラセンタ療法』

更年期障害』の治療はホルモン補充療法が主流ですが、 最近、体に優しい「プラセンタ療法」が注目されています。 プラセンタはホルモンの分泌や自律神経の乱れを正す妙薬で、更年期障害がらくらく軽快するといわれており、 プラセンタ療法で、ほてりやイライラが消えたばかりか、月経が再開されたという例もあります。


■更年期障害

女性ホルモンの減少が更年期障害の原因

私たち人間の体の中には、寿命が尽きるずっと前にその機能を失ってしまう器官がいくつかあります。 女性であれば、その代表は卵巣です。多くの女性が50歳前後の更年期にさまざまな不快症状を訴えるのも、 そこに原因があります。卵巣は、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を分泌するという 大変重要な役目を担っています。そのため、卵巣の働きが停止してしまうと、女性ホルモンの分泌が低下して 女性の心と体にさまざまな異常が現れてくるのです。 その際に問題となるのは、女性ホルモンの働きが自律神経と密接に関係していること。 もともと女性ホルモンも自律神経も体の内部の細かい調整を行っているだけに、両者は一方が変化すれば 他方もこれに応じて変化するという宿命にあるのです。 そのため、女性ホルモンの分泌が低下するこの時期は、自律神経も変調をきたし、のぼせ・ほてり・異常発汗・ めまい・動悸・だるさ・不眠・頭痛・肩こり・腰痛・関節痛・イライラ・欝症状・吐き気・胃腸障害など、 ありとあらゆる心身の不快症状に悩まされることになります。 これが『更年期障害』と呼ばれるものです。


●ホルモン補充療法の問題点

多くの副作用がある

最近の婦人科では一般に、更年期障害の治療として、女性ホルモンを内服や注射で補う「ホルモン補充療法」 が主流となっています。「足りないものは外から補えばいい」というホルモン補充療法の考え方は、 一見すると理にかなっているようですが、そこに落とし穴があります。 ホルモン分泌の減少を悪く考えることがそもそも間違いです。たとえば、成長ホルモンは十代後半に減少しますが、 減少しないと巨人症や末端肥大症という病気になります。女性ホルモンも五十歳前後で減少することに意味があり、 減少が起こらないと体にとってさまざまな無理がかかります。 体にとって無理な治療を行えば、新たな病気が発生する可能性も出てきます。実際に、米国や英国の大規模な調査では、 ホルモン補充療法によって乳癌や心臓病、脳卒中のリスクが高まるという報告もあります。 また、ホルモン補充療法には、不正出血やむくみなど多くの副作用があることも知っておくべきでしょう。


●更年期障害の治療にはプラセンタが最適

安全性が高く、重篤な副作用の心配がなく、多岐にわたる薬効が期待できる

更年期障害は、症状がつらい場合が多いのですが、決して命に関わるような病気ではありません。 そうした病気に対し、危険性が高い薬を第一選択肢として用いることは、再考する必要があります。 更年期障害の治療の第一選択肢として用いなければならないのは副作用が少なくて、効果が大きい薬であるべきです。 「そんな理想的な薬があるのか」と思うかもしれません。しかし、実は昔からあったのです。 それが「プラセンタ」です。

プラセンタとは、哺乳動物の「胎盤」を指す言葉で、一般には人間や豚、馬の胎盤から抽出されたエキス のこともプラセンタと呼ばれます。ちなみに人間の胎盤エキスは注射薬、豚や馬の胎盤エキスは内服薬や健康食品、 化粧品に利用されています。プラセンタは安全性が極めて高く、重篤な副作用の心配がなく、そのうえ多岐にわたる 強力な薬効が期待できます。これこそ、さまざまな不快症状を訴える更年期障害の治療にピッタリの薬です。 更年期障害特有のホットフラッシュ(顔がカーッと熱くほてる症状)やめまいが、プラセンタを使うと、 短期間で軽くなります。更年期症状の治療では、欝症状やイライラ、不眠を抑えるための対症療法として、 精神安定剤や睡眠薬が長期に使われることも珍しくありませんが、プラセンタを用いるとこうしたメンタル症状も大きく改善されていきます。


●プラセンタの効果

ホルモンや自律神経の働きを穏やかに正す

顔がほてる、腰が痛い、体が冷える、動悸がする、頭がのぼせる、疲れやすい、耳鳴りがする、眠れない・・・・・


更年期障害の不快症状は、一説には200種類もあるといわれています。それは、症状の現れ方や組み合わせが 人によって千差万別だからです。端的にいえば、更年期障害の多岐にわたる不快症状は、自律神経の乱れから起こるものです。 女性ホルモンの急激な減少によって自律神経の働きまで乱れてしまうのです。 例えば、顔がカーッと熱くなるようなほてり・のぼせ・多汗は「ホットフラッシュ」と呼ばれる更年期障害の典型的な症状 の一つ。これは血管の拡張や収縮を調節している自律神経の乱れにより、血液の流れに異常をきたすために起こるものです。 こうしたやっかいな更年期障害の改善によく効くのは、プラセンタにホルモンや自律神経の働きを穏やかにただしていく 作用があるからに他なりません。

【改善が望める更年期障害の症状】

▼血管運動神経障害
ホットフラッシュ、のぼせ、冷え、動悸、多汗など。
▼運動器障害
肩こり、腰痛、関節痛など。
▼精神神経障害
不眠、イライラ、不安、耳鳴り、めまい、うつなど。
▼知覚障害
手足のしびれ、知覚過敏など。

●プラセンタの薬理作用

つらい更年期を明るく楽に克服

これまでの研究で、貴重な栄養と生理活性物質の宝庫であるプラセンタには、今わかっているだけでも 下記にあげるように20もの薬理作用が備わっていることがわかっています。 これほどたくさんの薬理作用を持つ薬は、プラセンタ以外には存在しません。 プラセンタが更年期障害によく効くのも、単にホルモン調整作用や自律神経調節作用があるだけでなく、 こうした幅広い薬理作用が更年期障害の多様な症状に対して、あらゆる角度から働いて、 その症状を緩和していくからだと考えられます。 プラセンタ療法を始めると、更年期障害の数々の不快症状がまるで霧が晴れるようにきれいになっていくだけでなく、 肌が美しくなったり、疲れにくくなったり、心身ともに若々しくなったりという別の「副作用」が現れることも しばしばです。そのため、プラセンタで更年期障害を克服した後も、多くの人がアンチエイジングや病気予防のために、 治療を継続しています。


◆20の薬理作用

基礎代謝向上、細胞活性化、呼吸促進、造血、血行促進、疲労回復、血圧調節、自律神経調節、ホルモン調整、 免疫強化、活性酸素除去、抗突然変異、創傷回復促進、抗炎症、抗アレルギー、体質改善、強肝・解毒、 妊婦の乳汁分泌促進、食欲増進、精神安定


●更年期障害の治療薬として認可

副作用がほとんどない医薬品

日本でプラセンタが医薬品の承認を受けたのは、半世紀以上も前のことです。 当時、熱心な医師たちがより安全なプラセンタ療法を模索する中で、プラセンタをエキス化する技術を開発しました。 これによって作られたのが、注射薬の「メルスモン」です。このメルスモンが1956年に厚生省から 「更年期障害・乳汁分泌不全」の医薬品として最初の認可を受けました。 プラセンタによる治療は通常は自由診療となりますが、更年期障害と診断され、その治療にメルスモンを用いる場合は、 健康保険の適用になります。

注射薬というと副作用を心配する人がいるかもしれませんが、プラセンタが優れているのは、問題となるような副作用が 全くといっていいほどないことです。「よく効く薬は副作用が強く、効かない薬は副作用があまりない」という常識が、 プラセンタには当てはまらないのです。その効果も幅広く、きめ細やかですし、驚くべきことに、 プラセンタ療法を行っていると、血液中の女性ホルモン(エストロゲン)の量が増えたり、 閉経して間もない場合には月経が再開したりする例もあります。

しかも、プラセンタによる更年期障害の治療を受けているうちに、「肌にハリが出た」「シワが目立たなくなった」 「シミが薄らいだ」「肌がスベスベになった」などと肌のアンチエイジング効果を報告してくる人も少なくありません。 腰痛や肩こり、膝痛、股関節痛のほか、耳鳴りやめまい、花粉症や喘息が和らいだという声もよく聞かれます。 そのため、更年期のつらい不快症状から解放されて気持ちも体調も晴れやかになった人の中には、 自費診療に切り替えてプラセンタ療法を継続する人が多いのです。

こうした効果が臨床医の間でも大きな評判となり、プラセンタを用いる医療機関が年々増えています。 とはいえ現実には、全国全ての病医院がプラセンタ療法を実施しているわけではありません。 残念ながら、その数はまだ限られています。しかし、プラセンタの人気はとどまるところを知りません。 いずれ近い将来、日本全国のもっと多くの病院やクリニックでプラセンタ療法を受けられる日が来るでしょう。

なお、プラセンタは、注射薬以外に健康食品(粒食品・ドリンク)でも補うことができます。 プラセンタ注射は即効性がありますが、長く用いるのであれば健康食品でも効果に差はないと考えられています。 実際に、プラセンタの健康食品で更年期を上手に乗り越えられたという人も大勢います。 更年期障害がさほど重症でないケースや、近所にプラセンタ療法を行っている医療機関がない場合、 あるいは頻繁に通院する時間がないという人は、健康食品でも十分に効果が期待できます。 そのさい、健康食品に配合されているプラセンタエキスを1日に1000mgを目安に、 朝晩の2回に分けて補うといいでしょう。