鬱病の重症度に応じた治療

鬱病の治療は、「軽症の場合」「中等症・重症の場合」などの重症度に応じた治療が行われます。


■鬱病の重症度に応じた治療

軽症では医師との対話が基本。中等症以上は薬や認知行動療法も

鬱病は、軽症と中等症・重症に分け、次のような治療が行われます。


●軽症の場合

薬物療法や認知行動療法に優先して、次のような治療が行われます。

▼患者さんの背景や病態の理解
鬱病は、例えば経済的な状況や、仕事のストレスなどが関係して起きていることがあります。 そのような患者さんの背景を理解することや、一人一人の患者さんの病気の状態を理解することが、 治療を進めるうえでまず必要になります。

▼支持的精神療法(カウンセリング)
患者さんの話をよく聞くことです。傾聴とも呼ばれます。 よく聞き、状況を把握したうえで、適切な助言やアドバイスをします。

▼心理教育
患者さんに対する教育です。患者さんが落ち込んでいるつらい状態が、鬱病によるものであると説明します。 さらに、鬱病とはどのような病気か、どのような治療が行われ、どのように回復していくかを説明します。

ただし、過去に受けた鬱病の治療で薬が効いた場合には、今回の治療でも薬が検討されます。 初めて鬱病と診断された人でも、症状が持続している場合には、薬による治療が行われます。 また、睡眠や食欲の障害が重い場合、そわそわする、不安がある、という症状がある場合、 患者さん自身が薬による治療を希望する場合も、軽症でも薬が使用されます。

●中等症・重症の場合

治療の最初から積極的に薬による治療が行われます。薬は必要に応じて、その種類を2種類まで増やします。 薬による治療と並行して、鬱病になりやすい考え方の癖を修正する「認知行動療法」 が行われることもあります。