鬱病のタイプ

鬱病のタイプは、症状の違いで、 気分がいつも暗く落ち込んでいる典型的な鬱病の「メランコリー親和型鬱病」や楽しいことがあると、 そのときだけは気分が明るくな「非定型鬱病」、「落ち着かない」「そわそわする」など、 不安による苦痛を伴う「その他の鬱病」などに分けられます。


■メランコリー親和型鬱病

典型的な鬱病で、多くの人が抱いている鬱病のイメージは、このタイプの鬱病に見られるものです。 気分がいつも暗く落ち込んでいるのが特徴で、楽しいことがあっても変わりません。 「食欲がない」「眠れない」「自分を責めてばかりいる」といった症状もあります。


■非定型鬱病

典型的な鬱病とは異なる症状が見られます。 どんなことがあっても気分が落ち込んだままですが、非定型鬱病の場合、楽しいことがあると、 そのときだけは気分が明るくなります。このように、気分が反応しやすいのが特徴の1つです。 典型的な鬱病では、食欲がなくなり、眠れなくなりますが、非定型鬱病では、 「食べ過ぎる」「眠り過ぎる」といったことが起こります。このあたりが大きな違いです。 体が鉛のように重く感じられ、ベッドから起き上がれない人もいます。 対人関係に過敏な人が多いのも特徴です。
治療は、薬を使用するのは同じですが、典型的な鬱病に比べ、薬がやや効きにくいということもいわれています。 また、対人関係に敏感なので、ストレスの対処法や、対人関係に関するアドバイスなどが、効果的なこともあります。


■その他の鬱病

「落ち着かない」「そわそわする」など、不安による苦痛を伴う鬱病は、 不安自体の解消に努めないと、治りにくいことがわかっています。 また、鬱病が進行して、「とても重大な病気にかかっている」「自分はとんでもない罪を犯してしまった」など、 妄想的な症状が出てくることがあります。これを「精神病性鬱病」といいます。 この場合には、「抗うつ薬」だけでなく、「抗精神病薬」などを併用する治療が行われます。
最近は「新型鬱病」という言葉がよく使われていますが、これは医学的な病名ではなく、 マスコミが生み出した言葉です。定義はあいまいで、非定型鬱病と思われる人も含まれる一方、 病気ではない人も含まれている可能性があります。