薬の基本Q&A『飲み方の注意』



■Q1

医師から処方された薬を、症状が軽いときは少なく、重いときは多めに飲んではいけませんか?

【答】

薬は、正しい使い方をしないと効果が現れなかったり、副作用が生じたりすることがあります。 量を増やしても効果が増すとは限らないので、定められた量と服用のタイミングを守ってください。 自己判断による薬の増減は大変危険です。薬の中には、緩下剤のように症状に合わせて増減してよいものもありますので、 あらかじめ医師に確認するようにしてください。


■Q2

友人が胃痛を起こしたときに、私が頭痛のときに処方された痛み止めを分けてあげてもよいですか。

【答】

医師が処方した薬は種類も量の服薬期間も、その人に合ったその人専用の薬です。 例えば、胃の痛みを止める薬と頭痛薬は、同じ痛み止めでも作用が異なります。 胃の痛みのある人が、頭痛薬をもらって飲んだ場合、痛みは少し和らいでも、返って胃の粘膜が荒れることもあります。 例え”痛み”という症状が同じでも、薬を譲ったり、もらったりしてはいけません。


■Q3

小さな錠剤は水なしでも飲めますが、その飲み方はいけないのですか?

【答】

薬を水か白湯で服用するのは”薬を溶かして吸収を促す”ためです。水なしで飲むと、薬が喉や食道に炎症や潰瘍を 起こすことがあります。また、薬によっては、溶けずにそのまま排泄されてしまうこともあります。 ジュースやお茶で飲むと、相互作用が起こることがあります(Q2参照)。水なしで飲めるタイプ(口腔内崩壊錠)以外の薬は、 コップ1杯程度の水か白湯で飲んでください。


■Q4

食前、食後、食間というのは、どのタイミングのことでしょうか。

【答】

服薬のタイミングは、次を目安にしてください。
●食前・・・・・食事の30分前から直前まで。
●食直前・・・・食事の5分前から3分前。
●食後・・・・・食事の後30分以内。
●食間・・・・・食事と食事の間で、胃の中が空になった状態のとき。
●寝る前・・・・寝る30分前。薬を飲んですぐ横になると食道に残ってしまい、食道の炎症の原因になったり、 うまく吸収されなかったりすることがあるためです。
なお、睡眠薬は、就寝の準備を済ませてから服用し、飲んだらすぐに寝床に入りましょう。
●頓服・・・・・必要な時だけ。


■Q5

食後服用の薬を飲み忘れ、2~3時間経ってから気付くことが多いのですが、どうすればよいですか?

【答】

食後服用の指示には、食事と薬の効き方に関連があるものと、飲み忘れないようにという理由で食後になっている薬があります。 例えば、糖尿病の血糖値を下げる薬なら、胃が空のときに飲むと低血糖を起こす恐れがあるため、 食後、時間が経ってから飲んではいけません。必ず、医師に指示されたタイミングで使うようにしてください。
一方、高血圧、脂質異常症、うつ病などの薬は、食事と効き目に直接の関係はなく、忘れずに規則正しく飲むための食後指示ですから、 飲み忘れに気付いたときに服用してもかまいません。ただし、服用間隔などの問題もあるので、脳み忘れたときどうすればよいのか、 医師や薬剤師に聞いておくとよいでしょう。


■Q6

飲み忘れた処方薬がたくさんたまっています。どうすればよいですか。

【答】

飲み忘れた薬が溜まっている場合は、残っている薬の使用期限と数量を調べて、医師に伝えてください。 ”もったいない”との問題意識ばかりでなく、飲み忘れを知らない医師が、薬が効いていないと判断して増量する 可能性があるからです。例えば、”昼は忙しくて飲み忘れることが多い”といった事情があるなら、 それも医師や薬剤医師に伝えましょう。薬の種類や剤形を工夫して飲む回数を減らすなどの対応がとれることもあります。