薬の基本Q&A『薬の副作用』



■Q14

薬の副作用は、どのような起こり方をしますか?

【答】

薬には複数の作用があり、治療目的としている作用以外に起きる、好ましくない作用を副作用といいます。 副作用には、作用が強く現れる過剰反応、本来の目的ではない作用が現れる副次反応、 アレルギーが起こるアレルギー反応、体質的に薬の作用や毒性が強く現れる過敏症、 一定の血中濃度を超えると毒性が現れる中毒反応などがあります。 医師や薬剤師は、副作用が起きないように配慮していますが、薬の効果と副作用の現れ方は一人一人違うので、 経過に合わせて調節する必要があります。


■Q15

副作用の症状にはどのようなものがありますか?

【答】

症状はさまざまですが、代表的なものとして、発疹(薬疹)、かゆみ、だるさ、歯茎からの出血、関節痛、発熱、胃の痛み などの訴えが見られます。なかでも多いのは発疹ですが、患者さんの体質や体調、薬の種類によっても異なります。 新しい薬を飲み始めたり薬の量を増やしたりした後、1週間から1ヶ月くらいの間にこれらの症状が出た場合は、 医師か薬剤師に相談してください。


■Q16

薬の副作用に気を付けるのは、特にどのような人ですか。

【答】

薬の副作用は、使用したからといって必ず起こるわけではありませんが、どんな薬にも、多かれ少なかれリスクはあります。 「これまでに副作用を起こしたことがある」「アレルギーがある」「すでに服用している薬がある」 「肝臓・腎臓などに疾患がある」「妊娠中や授乳中の女性」「高齢者」「くるまの運転や高所作業などをしている」 などの場合は特に注意し、薬を飲んだ後、体調の変化に注意しましょう。


■Q17

心配しなくてもよい副作用はありますか。

【答】

例えば、高血圧の治療薬の中でも、カルシウム拮抗薬は血管壁を広げて血流をよくするため、飲み始めの時期に「ほてり」 を感じる人が少なくありません。また、狭心症や心筋梗塞で硝酸系の薬を処方された場合、頭部の血管を同時に広げるため、 飲み始めの時期に一部の人に頭痛が現れることがあります。これらは、体が薬に馴染んでくると気にならなくなることが多いので、 あまり心配する必要はありません。しかし、他の病気の症状であることもあるので、気になる症状が起こった場合は、 医師や薬剤師に相談してください。新しい薬を使い始めるときは、医師や薬剤師にどんな副作用が起こる可能性があるか、 尋ねておくと良いでしょう。


■Q18

薬の副作用によって入院した時は、どうすればよいのですか。

【答】

医薬品(市販薬も含む)を適正に使用したにもかかわらず、副作用で健康被害が生じた場合、被害者を救済する 「医薬品副作用被害救済制度」が設けられています。入院して治療した場合や後遺症が残った場合などに、 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に請求すれば治療費などの給付を受けられます。 処方薬で副作用が起きた場合は、医師に診断書と投薬証明を書いてもらいます。 市販薬の場合は、製造時期などが記載されている薬の箱とレシートを保管して提出する必要があります。