薬の基本Q&A『薬の飲み合わせ』
■Q19
薬同士の飲み合わせが悪いこともあるのですか?
【答】
複数の薬を同時に服用した場合、組み合わせによっては、薬の効果が出なかったり、効きすぎたりして悪影響が現れることがあります。 これを相互作用といいます。 例えば、腰痛、神経痛などで幅広く使われている鎮痛薬のジクロフェナクナトリウムは、高血圧や心不全などで処方される利尿薬のトリアムテレンとの相互作用で、 急性腎不全を起こすことがあるので注意が必要です。また、気管支炎や膀胱炎などの治療に使われるニューキノロン系抗菌薬は、 胃酸を中和する制酸薬との相互作用で、効果が弱くなることが知られています。 薬同士の相互作用はほかにも無数にあるので、新しい薬を飲む場合は、薬剤師に確認するとよいでしょう。
■Q20
薬と食べ物の飲み合わせが悪いこともあるのですか?
【答】
薬同士と同様に、薬と食べ物・飲み物の組み合わせによって、飲み合わせが悪いこともあります。 気を付けるものとして、グレープフルーツがよくあげられますが、これはグループフルーツに含まれている成分が薬の代謝を阻害し、 血液中の濃度が必要以上に高くなってしまうためです。その働きはグレープフルーツを食べた翌日以降も続くため、 服薬期間中はグレープフルーツやそのジュースを避ける必要があります。
また、脳梗塞の予防などに使われる抗凝固薬のワルファリンカリウムと、ビタミンKが豊富に含まれる食品についても飲み合わせを指摘されます。 納豆、クロレラ、青汁は摂取してはいけませんが、緑黄色野菜は小鉢1つ程度の適度な分量であれば問題ありません。 ジュースも含め、食べ過ぎに注意しながら、いろいろな野菜を少しずつ食べることが、栄養学的な観点から勧められます。