■薬が体に効く仕組み

剤形の特徴を知ろう

病院で出される薬には、内服薬、注射薬、舌下錠、座薬などがありますが、そのほとんどは血液循環によって全身に送られます。 内服薬(飲み薬)は腸で吸収されて肝臓に運ばれ、そのあと心臓から全身に送られますが、心臓に入る前に肝臓で処理されるので、 肝臓で分解される薬は内服では効き目が失われます。
静脈注射ではどうでしょうか?腕に注射する場合、薬は静脈から肝臓を通らずに心臓に入り、全身に送られます。 つまり、肝臓で分解される薬は、注射のほうが効果を発揮できるのです。
口の粘液で吸収する舌下錠も、肝臓を通らずに心臓に送られます。 ですから、舌下錠を飲み込むと腸から吸収されて肝臓に入るため、折角の薬が分解されてしまうのです。
また、座薬も肝臓での分解を受けません。直腸で吸収された薬は下大静脈から肝臓を通らずに心臓へと送られます。 座薬を「座って飲む」と思っている方がいるかもしれませんが、飲んではいけません。